興禅寺 (犬山市)

興禅寺の概要

興禅寺（こうぜんじ）は、愛知県犬山市の羽黒字城屋敷に位置する臨済宗妙心寺派の寺院です。山号は妙国山で、本尊は釈迦如来です。歴史深いこの寺は、今なお多くの人々に親しまれています。

歴史

中世の創建

この寺の歴史は、承安4年（1174年）に遡ります。創建したのは梶原景時で、当初は真言宗の一部として、丹羽郡羽黒村の下大日に建立されました。しかし、文明11年（1479年）に天関宗の鶚禅師を招き、臨済宗妙心寺派に改宗された際に、寺号を興禅寺に変更しました。そうして再興された際、元々の場所から西方450メートルの興善寺山に移転したとされています。

戦乱の影響

しかし、天正12年（1584年）の小牧・長久手の戦いによって寺院は焼失してしまいました。慶長7年（1602年）には、犬山城主の小笠原吉次によって羽黒城跡に移され、再び再興されたのです。これらの歴史的転換は、興禅寺の重要性を示すものであるといえます。

近代の発展

更に近代に目を向けると、文政13年（1830年）には庫裏が新たに建設されました。1880年には竹中藤右衛門一門が本堂の建設に着手し、1893年にその工事が完了しました。この本堂は、木造平屋建で、珍しい二重屋根の方丈形式を持つことで知られています。1920年には本堂の補強工事が行われ、1939年には山門が造立されました。

現代の文化財

2006年8月3日、本堂、庫裏、山門は登録有形文化財として登録されています。この登録により、興禅寺の重要な文化財としての価値が再認識されることとなりました。

境内の構成

興禅寺の境内には多くの構造物があります。以下に主なものを挙げます：

• - 本堂
• - 玄関
• - 庫裡
• - 座敷
• - 位牌堂
• - 弘法堂
• - 半蔵坊 - 元禄14年（1701年）に造営された。
• - 山門
• - 鐘楼
• - 北向き地蔵尊 - 1868年の入鹿切れの犠牲者を供養するための地蔵。
• - 石碑「開基梶原景時公」
• - 石碑「松浦浅吉先生之像」 - 愛知県会議員であった教育者の顕彰碑です。

文化財

以下は興禅寺に現存する登録有形文化財です：

• - 本堂

1893年に建てられた木造平屋建てで、六間取平面を持ち、南・東・西の三面に入側があります。

• - 庫裡

文化13年（1830年）に建てられた木造平屋一部二階建ての切妻造です。

• - 山門

1939年に造営された切妻造の四脚門です。

このように興禅寺は、長い歴史と文化的価値を持つ魅力的な場所となっています。訪れる人々は、その静かな環境の中で心を落ち着け、教えを垣間見ることができるでしょう。

もう一度検索