興道寺

興道寺（こうどうじ）

興道寺は、愛知県岩倉市にある日蓮正宗に属する寺院で、山号は蓮華山（れんげさん）です。この寺院は、日蓮宗の根本経典である「十界互具の大曼荼羅」を本尊として奉っており、多くの信者にとって重要な祈りの場となっています。

起源と歴史

興道寺の歴史は1823年（文政6年）にさかのぼります。この年、江戸の目黒に住んでいた長瀬清十郎がこの地を訪れ、日蓮正宗の教えを伝えました。この活動がきっかけとなり、興道寺の根幹を成す信仰が芽生えました。」

しかし、この地の信仰はその後、1826年（文政9年）から1859年（安政6年）にかけて、厳しい信仰弾圧「尾張法難」に見舞われました。このような困難な時期にも関わらず、地元の信徒たちは信仰を守り続けました。1877年（明治10年）に日本で信教の自由が認められるようになり、興道寺の設立に向けた道が開かれました。

寺院の設置にあたっては、名古屋方面に住む信徒たちの寄付が支えとなり、さらには日蓮正宗の総本山である大石寺の日霑の支援も得たと言われています。興道寺の設立に関する資料は複数存在し、そのため設立時期には若干の食い違いがあります。地元の歴史書『岩倉町史』では1877年の創建としていますが、『岩倉市史』では同年の10月としているなど、異なる記録が残されています。また、信徒たちが設立願を提出したのは1879年（明治12年）10月で、その後11月に開創されたとの記録もあります。

境内には、信仰を守り抜いた信徒たちを称えるため、「尾張法難」の石碑が建立されています。これは、信者たちの精神を後世に残すための重要な遺産として位置づけられています。

歴代住職

興道寺は歴代の住職によっても成り立ってきました。以下に主な住職を挙げます。

1. 日霑
2. 日照
3. 日台
4. 日満
5. 道篤
6. 日法
7. 慈海（1895年 – 1967年）：彼は福岡県久留米市に生まれ、1937年（昭和12年）に興道寺の住職となりました。1943年（昭和18年）には寂日坊の住職に就任しました。
8. 広泰
9. 諦齢
10. 松岡慈契

所在地とアクセス

興道寺は愛知県岩倉市西市町寺西19に位置しており、周辺には岩倉市役所や天神公園があります。交通アクセスは非常に便利で、名鉄犬山線の岩倉駅から徒歩約7分の距離にあります。車でのアクセスも良好で、東名高速道路の小牧インターチェンジからは約15分、名神高速道路の一宮インターチェンジからも同様に約15分で到着可能です。

まとめ

興道寺は、愛知県に位置する日蓮正宗の重要な寺院であり、その歴史には多くの信徒の信仰と献身が息づいています。激しい弾圧の中で信仰を守り抜いた人々の姿は、今もなお多くの信者にとっての模範となっているのです。興道寺は地域の信仰の拠り所であり、訪れる者に深い精神的なつながりを提供する場所として存在し続けています。

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