舘内端

舘内端（たてうち ただし）について

舘内端は1947年生まれの日本の自動車評論家およびレーシングエンジニアです。群馬県桐生市で生まれ、群馬県立桐生高等学校を経て、日本大学理工学部機械工学科を卒業しました。彼は日本EVクラブの代表を務めており、日本カー・オブ・ザ・イヤーの選考委員としても活躍しています。

初期の活動とレース技術

舘内は、最初にレース活動に関する著作を執筆していましたが、1990年代からは自動車に関連する環境問題に目を向け、技術的な観点からその解決策を提唱しています。彼のキャリアは東京大学宇宙航空研究所勤務から始まり、その後ベルコ・レーシングに入社しました。1977年以降はフリーランスの活動を開始し、F1日本グランプリでは高橋国光のチーフエンジニアを務めるなど、競技の場でも評価を得ています。

1994年には、自ら設計したゼロ・エミッション・フォーミュラ（ZEF）を用いてアメリカの電気自動車レースに参加し、見事3位入賞を果たしました。この活動から彼は電気自動車の重要性を認識し、その促進に努めることになります。

環境への取り組み

彼は1994年に日本EVクラブを設立し、低公害車の普及活動に力を入れ始めました。「クルマで遊んできたことへの懺悔だ」と述べるように、環境負荷の少ない自動車の普及や、省エネルギー運転の啓発などに取り組んでいます。その際、1998年には環境大臣から表彰を受けるなど、彼の努力が認められています。

著書一覧

舘内は数多くの著作を残しており、自動車に関する知識を広めることに貢献しています。彼の代表的な著作には以下のものがあります：

• - 「高性能シャシーの研究」（1982年、山海堂）
• - 「ふしぎ!クルマの超能力―「走る」「曲がる」「止まる」の謎をとく69のカギ」（1985年、講談社）
• - 「高性能エンジントレンド」（1986年、グランプリ出版）
• - 「クルマ新時代」（1986年、グランプリ出版）
• - 「ベンツとトヨタ」（1987年、はまの出版）
• - 「2001年クルマ社会は崩壊する」（1987年、三推社）
• - 「自動車進化論―最新テクノロジー」（1987年、グランプリ出版）
• - 「クルマの速さが見えてきた―「ドライビング・ハイ」を生むメカニズム」（1989年、光文社）
• - 「クルマ考現学」（1992年、双葉社）
• - 「自動車の存亡と環境・エネルギー危機をめぐって」（1999年、双葉社）

特に近年では、「ついにやってきた！電気自動車時代―EVが変える！暮らし・経済・社会」（2010年、学研新書）など、環境問題への意識を高める作品を発表しています。

連載・寄稿

彼はまた、「CAR GRAPHIC」や「JAF MATE」、さらには「スキージャーナル」といった雑誌に連載を持ち、自動車評論に関する様々な情報を発信してきました。

まとめ

舘内端の活動は自動車業界においてただ技術者としての活躍にとどまらず、環境問題の解決に向けた取り組みにも意義深いものがあります。彼の著作や活動は、今後の自動車社会に対する懸念を払拭する手助けになることでしょう。

もう一度検索