舘昭

舘 昭とは

舘 昭（たち あきら）氏は、1948年1月1日生まれの日本の教育行政学者で、桜美林大学の名誉教授です。東京で生まれた彼は、東京大学教育学部の教育行政学科を1972年に卒業し、1977年には同大学の大学院博士課程を満期退学しました。その間に、1976年から1978年にかけて『東京大学百年史』の編纂にも関わりました。

彼のキャリアは1978年4月に奈良教育大学の助教授に就任したことで始まり、その後、放送教育開発センターや大学評価・学位授与機構での教授職を経て、2004年には桜美林大学の教授となりました。さらに、2009年からは日本高等教育学会の会長を2年間務め、教育制度の改革に尽力しました。2018年3月には桜美林大学を退職し、その際に名誉教授の称号を授与されました。

舘氏の著書と貢献

舘氏は、多数の著書を通じて高等教育分野への重要な貢献をしてきました。1995年に出版された『現代学校論 アメリカ高等教育のメカニズム』は、アメリカの大学教育の機能を分析した著作で、多くの研究者によって参照されています。1997年発行の『大学改革日本とアメリカ』では、両国の大学改革についての比較を行い、2006年の『原点に立ち返っての大学改革』では過去の教育改革を振り返りながら、その意義を再評価しました。

また、2007年には『改めて「大学制度とは何か」を問う』を発表し、大学の根本的な制度について問い直しました。2013年には『原理原則を踏まえた大学改革を 場当たり策からの脱却こそグローバル化の条件』を通じて、グローバル化に向けた教育改革のあり方を示唆しました。さらに、2015年には『東京帝国大学の真実―日本近代大学形成の検証と洞察』を発表し、近代日本における大学の形成について新たな視点を提供しました。

編集や翻訳業務

彼の編集や共編著においても、彼の知見が詰まった作品が多く見られます。1991年に編集した『子供観』や、1995年の『転換する大学政策』は、教育政策に関する重要な視点を提供しています。此外、近年では2018年に出版された『大学事典』においても、教育行政や大学制度に関する包括的な視点を反映させています。

また、舘氏は他の著作物の翻訳にも関わっており、1998年のH.R.ケルズ『大学評価の理論と実際 自己点検・評価ハンドブック』や、2000年のD.T.セイモア『大学個性化の戦略 高等教育のTQM』の翻訳に参加しています。これらの翻訳も、教育評価や大学の個性に関する重要な知見を日本の教育界に提供しています。

最後に

舘 昭氏は、教育行政学という専門分野において、その多様な業績を通じて日本の大学や教育制度の発展に寄与し続けています。彼の豊富な知識と経験は、今後の教育改革においても大きな影響を与えるでしょう。

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