船員労働委員会

船員労働委員会の概要と歴史

船員労働委員会（せんいんろうどういいんかい）は、かつて国土交通省が運営していた外局で、船員に関する労働行政を行っていました。この機関は、船員法や労働組合法、国土交通省設置法などに基づき、労働問題に関する調整を行う役割を持っていました。委員会は東京・霞が関にある中央労働委員会と、全国に11の地方労働委員会から構成されていました。

組織の構成

船員労働委員会は、中央委員会と地方委員会から成り立っており、中央委員会には21名の委員が在籍していました。委員は使用者、労働者、公益の各代表から構成され、それぞれが7人ずつの割合で選出されました。中央委員会は、公益委員の中から会長と会長代理を選びます。

地方労働委員会は、全国の地域名を冠しており、北海道、東北、関東などの11地域に設置されていました。こちらの委員会も15名の委員が所属し、同様に使用者、労働者、公益の代表から構成されていました。地方委員会も、公益委員から会長と会長代理が選出されるシステムを持っていました。

廃止の経緯

船員労働委員会は、2007年8月に国土交通省が組織改正を提案したことをきっかけに、廃止の運びとなりました。総務省との話し合いを経て、2008年1月には関連法案が通常国会に提出され、4月には可決されました。その結果、国土交通省設置法の一部改正が行われ、2008年10月1日より正式に廃止されることとなりました。

廃止後、船員労働委員会の機能は他の機関へと移管されました。集団的紛争調整業務は中央労働委員会および都道府県労働委員会へ、政策に関する調査や審議業務は交通政策審議会や地方交通審議会へと引き継がれました。また、個別的な紛争調整業務は、地方運輸局長などにより指名されたあっせん員や調停員によって進められるようになりました。

まとめ

船員労働委員会は、船員という特定の職業に特化した労働問題を扱う機関でしたが、2008年の廃止によりその役割が他の組織へと移行しました。この組織は、船員の労働条件や紛争解決を重要なテーマとして扱っており、その重要性は今後も変わらないでしょう。代替機関によって船員の権利が適切に守られることが期待されています。

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