芝突抜町

芝突抜町（しばつきぬけちょう）

芝突抜町は、奈良県奈良市の中央部に位置する地区です。郵便番号は630-8385。

地理

奈良市の中央部、市街地の中央に位置し、元興寺周辺の奈良町の一角を占めています。東西に伸びる道路の両側には住宅が立ち並び、元興寺の寺域の一部には元興寺文化財研究所があります。北は中院町、南は芝新屋町、東は毘沙門町と隣接しています。

地名の由来

「芝」という地名は、かつて元興寺の境内が荒廃し、芝原となったことに由来します。「突抜」は、東側の鵲町へ通り抜けられるように街路が開かれたことにちなむと言われています。

歴史

芝突抜町は、かつて弥勒辻子（みろくのつじし）と呼ばれ、俗に狐辻子（きつねのつじし）とも呼ばれていました。元禄16年写の和州南都図（天理図書館保井文庫所蔵）には「きつねかつし」と記されており、貞享4年の「奈良曝」にも狐が辻子としてその名を見ることができます。当時、町役は13軒であったと記録されています。宝永年間には、町代を務めた高木又兵衛の記録（県立図書館藤田文庫所蔵）から、米屋が2軒存在していたことが分かっています。

寛永8年の役家数は13、元禄2年には家数22、借家12、享保14年の役家数13、家数22、借家10であったと「奈良市史通史3」に記されています。能や春日若宮祭に参勤する大名の役人衆の宿泊所を提供する宿割町としての役割も担っていました（奈良町雑録）。

安政6年2月28日には、隣町の毘沙門町から発生した火災により、町内の民家のほとんどが焼失するという大きな被害を受けています（奈良市災害編年史）。

学区

小・中学校の学区は、奈良市立飛鳥小学校および奈良市立飛鳥中学校に属します。

沿革

明治22年（1889年）：奈良町に所属
明治31年（1898年）：奈良市に所属

交通

近鉄奈良駅から徒歩約15分

参考文献

「角川日本地名大辞典」編纂委員会『角川日本地名大辞典 29 奈良県』角川書店、1990年 ISBN 4-04-001290-9

外部リンク

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