花よめは16歳

1979年11月19日から1980年7月14日にかけて、テレビ朝日系列で放送されたテレビドラマ『花よめは16歳』。東映とテレビ朝日の共同制作による全32話の作品で、毎週月曜19時からの30分間、多くの視聴者を魅了しました。

このドラマは、当時16歳だった清水由貴子さんのテレビドラマ初主演作品という点でも注目を集めました。清水さんは、主人公の甘田ミチを演じ、10歳年上の医師である谷川進との結婚生活を明るくコミカルに描いています。

物語の中心となるのは、16歳の女子高生ミチと26歳の医師である進の年の差婚です。ミチは、活発で明るい性格の持ち主。若葉学園に通う高校2年生で、水泳部に所属し、当初はモスクワオリンピック出場を目指していました。しかし、物語が進むにつれて目標はインターハイに変更されます。

進はミチの夫であり、同時にミチの通う高校の水泳部コーチとして赴任することになります。二人の結婚をきっかけに、学校生活は様々な騒動に包まれていきます。

ラブコメディとしての要素が強く、ミチと進のコミカルなやり取りや、周囲の人々との関わりを通じて、笑いと感動が織りなされています。しかし、同時にスポ根ドラマとしての側面も持ち合わせており、ミチのひたむきな水泳への取り組みや、部員たちとの友情、そしてライバルとの競争などが、ドラマに奥行きを与えています。

キャストは、主人公のミチ役を演じた清水由貴子の他に、ミチの夫である進役には土門峻さん、ミチの両親や弟、そして水泳部の仲間や先生など、個性豊かなキャラクターたちが登場します。それぞれの登場人物の個性と人間関係が丁寧に描かれており、視聴者はそれぞれのキャラクターに感情移入し、物語に引き込まれていきます。

また、主題歌とエンディングテーマは堀江美都子さんが担当。オープニングテーマ「だって花よめですもの」とエンディングテーマ「天使よ聞いて」は、ドラマの世界観をさらに盛り上げる名曲として、今でも多くのファンに愛されています。さらに、プロローグではミチと進の出会いのシーンが毎回流されますが、放送期間中にそのシーンの内容が変更されているという点も、興味深い特徴の一つと言えるでしょう。

残念ながら、本作は全話映像ソフト化されていませんが、オープニングとエンディングの一部は、いくつかのビデオやレーザーディスク、DVDに収録されており、当時を懐かしむファンにとって貴重な資料となっています。

『花よめは16歳』は、青春、恋愛、スポーツ、そして家族といった様々な要素が複雑に絡み合い、視聴者に多様な感情を呼び起こす作品です。1970年代後半の日本の社会状況や若者文化を反映している点も、このドラマを理解する上で重要な要素と言えるでしょう。明るく楽しい物語の中にも、青春特有の葛藤や成長が描かれており、世代を超えて楽しめる作品となっています。

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