花占い (桜田淳子の曲)

花占い

「花占い」（はなうらない）は、昭和を代表するアイドルの一人、桜田淳子が1974年の夏、具体的には8月にリリースした通算7枚目にあたるシングルレコードです。

楽曲の誕生経緯

この楽曲の誕生には、当時のメディアと音楽業界のユニークな連携がありました。歌詞の元となるアイディアは、広く読者を持つ人気雑誌「月刊明星」が行った企画、一般読者からの歌詞公募によって集められました。その中から選ばれた原案を基に、数々のヒット曲を生み出してきた作詞家・阿久悠氏が筆を執り、切ない乙女心を歌い上げる歌詞を完成させました。そして、この詞に寄り添う美しいメロディーは、作曲家の中村泰士氏によって紡ぎ出されました。阿久悠氏と中村泰士氏という、当時の日本の歌謡界においてゴールデンコンビとも称された二人の手により、「花占い」は誕生したのです。編曲は、あかのたちお氏が担当し、楽曲の世界観をより一層引き立てています。

収録曲

本シングル盤には、以下の2曲が収録されています。

A面：花占い
歌唱時間：2分46秒
原案：簑島若代
作詞：阿久悠
作曲：中村泰士
編曲：あかのたちお
タイトルの通り、花びらを一枚ずつちぎりながら恋の行方を占う少女の心情が描かれており、当時の多くの若者の共感を呼びました。

B面：白い貝がら
歌唱時間：3分2秒
作詞：阿久悠
作曲：中村泰士
編曲：あかのたちお
* A面とは異なる、浜辺で見つけた白い貝がらに寄せる想いを歌った楽曲で、こちらも阿久悠氏による詩情豊かな歌詞が印象的です。

両曲ともに作曲・編曲は中村泰士氏とあかのたちお氏が手掛けており、シングル全体として統一感のあるサウンドに仕上がっています。

リリース当時の状況と楽曲の位置づけ

1974年という年は、日本の音楽シーンにおいてアイドル歌謡が隆盛を極めていた時代であり、桜田淳子自身も人気絶頂期を迎えていました。この時期に発表された「花占い」は、彼女のキャリアにおける初期の代表曲として広く認識されています。情感豊かな歌声で「好き、嫌い、好き…」と歌うサビの部分は特に印象的で、多くの人々の記憶に残るフレーズとなりました。当時のオリコンチャートでも上位にランクインするなど、商業的にも成功を収めています。

関連情報

「花占い」は、後にリリースされた桜田淳子の数々のベストアルバムにも収録されています。例えば、『GOLDEN☆BEST 桜田淳子』のような企画盤には、この楽曲が欠かせないトラックとして含まれており、世代を超えて聴き継がれています。また、本シングルが発表された1974年の音楽シーンを振り返る際にも、アイドル歌謡を代表する一曲としてしばしば言及されます。

この「花占い」は、雑誌の読者公募という珍しい経緯から生まれ、当時のヒットメーカーたちの手によって完成され、桜田淳子の歌声に乗って広く愛された、昭和アイドル歌謡史に刻まれる重要な一曲と言えるでしょう。

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