花嫁のれん (2010年のテレビドラマ)

『花嫁のれん』：昼ドラの金字塔、金沢の老舗旅館を舞台にした嫁姑バトルの物語

『花嫁のれん』は、東海テレビ制作、フジテレビ系列で2010年から2015年まで放送された人気昼ドラです。石川県金沢市の老舗旅館「かぐらや」を舞台に、東京から嫁いだキャリアウーマンと、伝統を重んじる姑との間で繰り広げられる激しい嫁姑バトルを中心に、旅館を取り巻く人々の人間模様を描いています。

作品概要

このドラマは、2002年の『はるちゃん6』以来8年ぶりに旅館を舞台にした作品であり、能登地方の婚礼儀式「花嫁のれん」をタイトルに冠しています。主演は羽田美智子と野際陽子。羽田美智子は本作が昼ドラ初出演にして初主演となり、野際陽子は、東海テレビの昼ドラにおいて過去最年長での主演記録を打ち立てました。

シリーズは全4作。

第1シリーズ：2010年11月1日 - 12月29日
第2シリーズ：2011年10月31日 - 12月29日
第3シリーズ：2014年1月6日 - 3月28日
第4シリーズ：2015年1月5日 - 3月27日

第2シリーズでは台湾観光局のタイアップにより、台湾ロケが行われました。第4シリーズでは、矢田亜希子が女将見習いとして加わり、新たな風を吹き込みました。2016年に「昼ドラ」枠が廃止、2017年に野際陽子が逝去したため、第4シリーズが事実上の最終作となりました。

あらすじ

第1シリーズ

大手旅行代理店を失業した奈緒子が、借金を残して失踪した夫の実家である老舗旅館「かぐらや」で再起を図ります。しかし、姑である女将・志乃は、花嫁のれんをくぐっていない奈緒子を嫁として認めず、壮絶な嫁姑バトルが勃発します。

第2シリーズ

女将披露の日に夫が再び失踪。奈緒子は女将修業を続けながら夫の帰りを待ちます。志乃は奈緒子に台湾で夫を探すよう命じ、奈緒子の不在中には姪の有紀子を手伝わせますが、有紀子も女将修業を志願し、奈緒子と対立することになります。

第3シリーズ

花嫁のれんをくぐり、正式に神楽家の嫁として認められた奈緒子。夫は東京で実業家として成功を収めます。姑との関係も良好になりますが、女将襲名披露を控えた奈緒子に、志乃は新たな課題を与えます。

第4シリーズ

北陸新幹線開業を目前に控えた金沢。「かぐらや」の女将・奈緒子が発案した「金沢女将塾」が波紋を広げます。女将の仕事の難しさを説く志乃と、人材育成を掲げる奈緒子は対立。塾生として採用された真知子は、様々な困難に立ち向かいながら成長していきます。

キャスト

神楽 奈緒子：羽田美智子
神楽 志乃：野際陽子

その他、津田寛治、山本圭、里久鳴祐果、小林すすむなど、個性豊かな俳優陣が物語を彩ります。

スタッフ

原作：小松江里子
脚本：小松江里子、青木江梨花
音楽：富貴晴美
演出：藤尾隆、杉村六郎、村田忍
制作：東海テレビ、テレパック

主題歌

各シリーズごとに異なる主題歌が、ドラマを盛り上げました。

第1シリーズ：岡本真夜「Beautiful Days」
第2シリーズ：ふくい舞「たったひとりの味方」
第3シリーズ：Do As Infinity「風花便り」
* 第4シリーズ：東方神起「サクラミチ」

評価と影響

『花嫁のれん』は、昼ドラならではのドロドロとした嫁姑バトルに加え、金沢の美しい風景や伝統文化、旅館で働く人々の温かい人間模様を描き、多くの視聴者を魅了しました。また、海外でも放送され、嫁姑問題は世界共通であることが示されました。岡峯有衣子によって漫画化もされています。

『花嫁のれん』は、昼ドラの歴史に名を刻む傑作として、今も多くの人々に愛され続けています。

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