花時計

花時計とは

花時計は、花壇と時計が一体となったモニュメントです。多くの場合、公園や公共施設などに設置され、人々の目を楽しませています。

歴史

花時計の起源は、19世紀のヨーロッパに遡ると考えられています。庭園の装飾として作られたのが始まりとされ、現存する最古の花時計は、1903年にイギリス・エジンバラのプリンセスストリート庭園に設置されたものです。当初は分針がなく、翌年に設置されたとされています。

日本で最初に作られた花時計は、1957年に神戸市役所の新庁舎建設に合わせて設置されたものです。現在では、全国各地に80基以上の花時計が存在します。

構造

花時計は、アナログ時計の文字盤と時計機械室で構成されています。文字盤は見やすさや水やりの便を考慮して、10度から20度の角度がつけられることが多いです。時計の分針と秒針は、それぞれ個別に制御されています。

花壇は、文字盤部分に設置される場合と、文字盤の周囲に設置される場合があります。花は生花が使われることもあれば、造花が使われることもあります。生花を使用する場合は、機械室の防水・防湿対策が必要です。時刻調整は、専用の親時計を使って行われ、親時計は機械室内や花時計の近くに設置されます。

花時計の花は、人の手で摘まれたり、鳥獣による食害を受けることがあります。そのため、防犯装置の設置や、食害に強い花を選ぶといった対策が講じられています。

花そのものを利用した花時計

植物の開花・閉花の周期を利用した「リンネの花時計」と呼ばれるものも存在します。1751年にカール・フォン・リンネが考案し、約200種類の花を挙げています。この花時計は、夜間でも時間を知る可能性があるとされていますが、精度は日照時間や気温に左右されやすく、季節ごとに開花時間の異なる花を用意する必要があるため、実用的な時計としては普及しませんでした。19世紀初頭には、庭園装飾や植物園で利用された程度です。

フランスの作曲家ジャン・フランセは、このリンネの花時計に感動し、1959年に「花時計」という協奏曲を作曲しました。この協奏曲は7つの時と花が選ばれ、7曲構成となっていますが、切れ目なく演奏されます。

まとめ

花時計は、単なる時計としてだけでなく、美しいモニュメントとして人々に親しまれています。歴史や構造を知ることで、より深く花時計を楽しむことができるでしょう。

ギャラリー

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