花木

花木について

花木（かぼく）とは、一般的に花や果実を観賞するために、庭や鉢で栽培される木本植物のことを指します。広義には、新緑や紅葉、斑入りの葉など、葉の美しさを楽しむ植物や、コニファーのような整った樹形を愛でる植物も含まれ、庭[[木]]とほぼ同義で用いられます。ただし、果樹や生け垣用の植物は、通常、花木には含めません。

花木王国・日本

欧米では、花といえば草花を指すことが多いですが、日本では古くから園芸植物として花木が親しまれてきました。例えば、梅、桜、皐月、萩、紫陽花、牡丹、椿、山茶花など、多くの種類が身近に見られます。その他、沈丁花、木蓮、山吹、藤、薔薇、槿、百日紅、金木犀などもよく知られています。

戦後に欧米から導入されたアザレアやハイドランジアも、実は日本原産のツツジやサツキ、アジサイが改良されたものです。これは、日本とヨーロッパの気候の違いが大きく影響しています。冬が長く寒い、または夏に乾燥するヨーロッパでは、一年生[[植物]]や球根植物が中心でした。一方、日本では四季の変化はありますが、夏も冬も適度な湿度があるため、常緑樹や落葉樹がよく育ち、多種多様な花木が育つ環境に恵まれています。身近に見られる花木のほとんどは、日本や中国など東アジア原産です。

花木と日本文化

日本人と欧米人の花に対する考え方の違いとして、日本人は花を皆で観賞する文化を持っている点が挙げられます。花見や茶の湯などがその代表例です。西洋では、庭園は塀で囲まれていることが多いですが、日本では城や砦などの特別な場所を除いて、外界との境界があまりなく、比較的自由に出入りできました。庭は、家の持ち主が通りがかりの人々と趣味を分かち合う場所でもありました。

花物・実物盆栽

日本独自の文化として、花木を盆栽として楽しむ方法があります。花物盆栽と実物盆栽がその代表です。欧米では、鉢植えの花木は大きく色鮮やかな花をたくさん咲かせることに重点が置かれますが、日本の盆栽では、樹形から花の付き方まで、自然の中で生きているかのように作ることが重視されます。盆栽は、日本の美意識を象徴する文化の一つと言えるでしょう。

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