花柳壽輔 (4代目)

四代目花柳壽輔の生涯

四代目花柳壽輔（1931年3月22日生まれ、2020年9月26日没）は、卓越した日本舞踊家であり、文化人として名を馳せました。彼の本名は花柳寛で、位階は従四位にあたります。壽輔という名跡は2016年に六代目花柳芳次郎に譲渡され、彼自身は「二代目花柳壽應」と名付けられ、新たな道を歩みました。

受賞歴と公演

壽輔は、数多くの賞を獲得しています。1958年には文部省芸術祭奨励賞を受賞し、1985年には国際エミー賞優秀賞を、1989年にはイタリア賞と続き、1999年には舞踊芸術賞も受賞しています。さらには2001年に日本芸術院賞、2011年には日本芸術院会員に選ばれ、2012年にはNHK放送文化賞を受賞しました。これらの栄誉は彼の舞台芸術に対する情熱を物語っています。

学歴とキャリア

早稲田大学第一文学部を卒業し、同大学院で修了した後、1953年より俳優としてテレビドラマや東宝歌舞伎に出演。1960年からは宝塚歌劇団の振付師としても活躍しました。1967年に五代目花柳芳次郎を襲名し、その後は花柳流の三世家元だった三代目壽輔の後見人となり、舞踊界での影響力を高めていきました。

家族と流派の継承

壽輔の家族も舞踊界に深い関わりを持っています。彼の父は四代目花柳芳次郎であり、また、彼の弟である花柳雅一は「芳瞠流」を創流しました。壽輔は1965年に宝塚歌劇団の女性と結婚するも、半年で離婚し、実子はいませんでした。代わりに妹の息子を養子として迎え、家族の絆を築きました。彼の孫たちもまた、舞踊界での活動を続けています。

継承問題とその影響

壽輔が家元を継承する際には、弟子たちの間で激しい争いが起こりました。2011年には「一般社団法人花柳流花柳会」が設立され、彼の家元継承に反発する動きが見られました。彼の側は訴訟を起こし、2012年には判決が彼の手を挙げる形になりましたが、その背後には様々な利害関係が絡んでいました。

晩年と死去

2020年9月26日、肺腺がんにより89歳で死去しました。彼の死は舞踊界に大きな影響を与え、従四位叙位と旭日中綬章が追贈されました。壽輔はその生涯を通じて、日本舞踊を支える重要な存在であり続けました。

近年の舞台活動

近年の活動としては、2008年から2009年にかけて三代目壽輔の追善舞踊会を東京や大阪、名古屋、福岡などで開催し、2010年には初めてNHK古典芸能鑑賞会での舞台に立ちました。また、2011年には自身の傘寿を祝い、東京国際フォーラムでチャリティー公演を開催し、多くの著名人が参加しました。

壽輔の生涯と業績は、今もなお多くの人々に影響を与え続けています。彼の舞踊に対する情熱は、次世代の舞踊家にも引き継がれていくことでしょう。

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