芸術工学部

芸術工学部の概要

芸術工学部は、技術や技能を基盤にした工学に、芸術の要素を取り入れた学際的な学部である。ここでは人文科学、社会科学、自然科学および技術が組み合わさり、デザインに特化した教育を提供することを目指している。芸術と工学のバランスを重視し、高度な専門知識と実践力を兼ね備えた人材の育成に努めている。

歴史

芸術工学部の起源は1968年に設立された九州芸術工科大学にさかのぼる。これにより、工学分野に芸術的なアプローチが結びつけられた。その後、2003年10月に九州大学と九州芸術工科大学の統合により、現在の九州大学芸術工学部が誕生した。他にも名古屋市立大学や東海大学に設置されているが、東海大学の芸術工学部は2012年度に募集を停止した。

沿革

1963年、九州文化推進協議会は国立芸術大学の設立を求める決議を行い、この要望が起点となって「国立九州芸術大学設置期成会」が設立された。文部省が計画を進めた結果、1970年に九州芸術工科大学が設立されることになった。設立当初は四つの学科、環境設計学科、工業設計学科、画像設計学科および音響設計学科が存在し、技術と芸術を組み合わせた教育が行われることを目的としていた。1980年代に大学院修士課程、1993年には博士課程が設置され、最終的には2003年に九州大学に統合された。

特徴

九州大学 芸術工学部

九州大学の芸術工学部は、九州芸術工科大学の理念を引き継ぎ、科学技術と芸術的感性の統合を目指している。現在のキャンパスは福岡市南区の大橋キャンパスに位置し、環境設計、工業設計、画像設計、音響設計、および芸術情報設計の5つの学科がある。これに加え、大学院には修士課程および博士後期課程も設置されている。

各学科の特性

• - 環境設計学科: 建築やランドスケープデザイン、環境マネジメントに重点を置いており、社会及び文化財の保存についても学ぶ。
• - 工業設計学科: 工業製品のデザインと人間工学を探求し、使いやすさと美しさを追求する。
• - 画像設計学科: 視覚的な芸術や映像デザイン、画像処理技術を専門的に学ぶ。
• - 音響設計学科: 音楽や音響技術を芸術的視点から研究する、国内では珍しい学科である。
• - 芸術情報設計学科: デジタルメディアやマルチメディアデザインを扱い、現代の情報環境におけるアートと技術の融合を探求する。

名古屋市立大学 芸術工学部

名古屋市立大学の芸術工学部は1996年に設立され、現在は情報環境デザイン、産業イノベーションデザイン、建築都市デザインの学科が設けられている。未来に必要なデザイナーを育成することを目標としており、最新の施設環境が整備されているのが特徴である。

東海大学 芸術工学部

東海大学の芸術工学部は2008年に設置され、感性と技術の融合を重視した教育が行われていたが、2012年度から新たな学科へ移行し、令和4年には募集が停止された。

まとめ

芸術工学部は、工学と芸術を掛け合わせた新たな領域を学ぶことができる場であり、全国各地に設置されることで、さまざまな視点から人材を育成している。過去から受け継がれてきた理念は、今後も時代に応じた形で進化し続けることが期待されている。

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