芸道54年 笑いと涙のドラマがいっぱい! 萩本欽一の「人生ってめぐり愛だよね」

『人生ってめぐり愛だよね』の魅力

コメディアン萩本欽一のエッセイ『人生ってめぐり愛だよね』は、彼が今までに経験した54年の芸道のエッセンスが詰まった作品です。本書は2013年から『週刊アサヒ芸能』に連載され、多くの読者に愛されました。この作品では、萩本が出会った有名人や一般人、さらには家族との心温まるエピソードが語られています。

連載の背後にある思い

連載が始まる際、編集部は萩本が典型的な下ネタを避けるコメディアンであるため、女性の裸や下ネタが多い『アサヒ芸能』からの依頼を拒否するのではと懸念していました。しかし、萩本は「昔のコメディアンの多くはストリップ劇場出身。そんなことで連載を持ちたくないとはおこがましい」と、依頼を快諾しました。この姿勢からも彼の信念が伺えます。

思い出の人物たち

本書の魅力の一つは、毎回異なるテーマで綴られるエピソードです。たとえば、第一回で触れられるのは田中好子。彼女の思い出は、萩本にとって特別な存在であり、彼女との出会いや出来事がユーモアを交えて描写されています。また、柳葉敏郎がオーディションで選ばれた背景についても、後の方で詳しく語られる予定です。

各回には、多彩なゲストが登場し、著名なコメディアンや俳優との知識、友情、そして感動的な思い出が織り交ぜられています。萩本の父母の話や、長門裕之・南田洋子夫妻、山口百恵、森昌子、さらにはザ・ドリフターズやタモリ、ビートたけし、明石家さんまといった大物たちとのエピソードも、萩本の視点でユニークに展開されています。

大切な教えと人生観

『人生ってめぐり愛だよね』では、笑いだけでなく、人生における教訓や人と人とのつながりの大切さも伝えられています。萩本は、自身の経験を通じて、喜びや悲しみ、感謝を忘れないようにしたいと語りかけます。彼の言葉には、人生を多角的に見つめる視点が込められています。

これらのエピソードは、単なるエンターテインメントを超え、読者に感動を与え、人生の濃密な思い出を思い起こさせます。萩本の独特の温かさと笑いが溢れる本書は、コメディファンならずとも楽しめる一冊です。彼の人生における「めぐり愛」の瞬間一つ一つが、心に響くメッセージを届けてくれます。

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