若いやつ

橋幸夫のシングル「若いやつ」

「若いやつ」は、1962年6月20日にビクターからリリースされた橋幸夫の23枚目のシングルです。この楽曲は、彼自身が主演するテレビドラマ『若いやつ〜橋幸夫ショー〜』や同名の映画『若いやつ』の主題歌として知られています。

背景と制作について

このシングルのリリースは、橋幸夫が1月に発表した「江梨子」が大ヒットした後のことです。「江梨子」は切ない恋愛を描いたものでしたが、「若いやつ」はより夢のある青春歌謡として作られました。作詞は橋の恩師である佐伯孝夫が手がけ、作曲は同じく吉田正が担当しています。この曲の歌詞は、昭和37年の若者たちに向けたメッセージが込められており、タイトルの「若いやつ」が象徴するように、希望や情熱を持って新しい世界に挑む姿が描かれています。

佐伯はこの曲を作り上げる際、1947年にリリースされた「若い力」に影響を受け、当時のマスゲームで中学生たちが歌っていた姿を思い出しながら、当時の若者たちの心情に寄り添った歌詞を作り上げました。また、他にも「東京の屋根の下」というヒット曲からインスパイアを受けた作品もあり、橋と女性演歌歌手の吉永小百合とのデュエットでヒットを記録しています。

ヒットと放送

「若いやつ」は日本ビクターのヒット賞を受賞し、その後も様々なアルバムに収録されています。例えば、『橋幸夫全曲集』や『歌の架け橋 橋幸夫45周年記念』などには、この名曲が組み込まれています。

テレビドラマ

1962年6月から12月まで、TBS系列で放送されたテレビドラマ『若いやつ』は、全26話のシリーズでした。主人公の朝倉哲夫を演じる橋幸夫が、東京での新生活や大学生活を送る様子を描いています。このドラマは、当時の若者たちに共感を呼び起こし、視聴者から非常に高い支持を受けました。

出演者には左とん平や舟橋元などが名を連ね、特に当時学生服を着た橋の姿は多くのファンの心に残りました。反響を受け、視聴者がもっと橋の学生服姿を見たいとの声が多く寄せられ、ドラマの制作が決定しました。ドラマの原作は北条誠が手がけ、その脚本も彼の作品です。

映画版

シングルとしての成功を受けて、同じく橋幸夫が主演する映画『若いやつ』も製作されました。1963年3月に公開されたこの映画は、テレビドラマとは異なるストーリー展開を持ち、バス会社の一人息子としての成長を描いています。映画は91分の作品で、橋の相手役には倍賞千恵子が起用され、彼女との初共演となりました。この映画も高い評価を受けました。

総括

「若いやつ」は、橋幸夫の楽曲としてだけでなく、その歌詞や物語からも多くの人々に感動を与え続けています。青春というテーマは時代を超えて共感を呼び、今なお人々に愛されている名曲です。

もう一度検索