若き日のリンカン

映画『若き日のリンカーン』解説

『若き日のリンカン』（原題：Young Mr. Lincoln）は、1939年に公開されたアメリカ合衆国の伝記映画です。監督は名匠ジョン・フォード、主演はヘンリー・フォンダが務めました。第16代アメリカ合衆国大統領エイブラハム・リンカーンの若き日を、史実を基にしながらもドラマチックに描いています。

あらすじ

物語は、エイブラハム・リンカーンが恋人アンの死を乗り越え、イリノイ州スプリングフィールドで弁護士として歩み始める場面から始まります。独立記念日の夜、副保安官が殺害される事件が発生し、クレイ兄弟が容疑者として逮捕されます。兄弟の母親アビゲイルは、どちらか一方を犯人として証言することを拒否します。リンカーンは、亡き母の面影をアビゲイルに重ね、兄弟の弁護を引き受けることを決意します。

リンチを企む群衆を巧みな演説で鎮めたリンカーンでしたが、事件の真相に迫るにつれ、困難に直面します。裁判では、不利な状況の中、リンカーンは目撃者の証言の矛盾を突き、事件の真犯人を暴き出します。若きリンカーンが、いかにして正義を貫き、人々を救っていくのかを描いた感動的な物語です。

キャスト

エイブラハム・リンカーン：ヘンリー・フォンダ
アビゲイル・クレイ：アリス・ブラディ
マット・クレイ：リチャード・クロムウェル
サラ・クレイ：アーリーン・ウィーラン
アダム・クレイ：エディ・クィラン
キャリー・スー：ドリス・ボウドン
メアリー・トッド：マージョリー・ウィーヴァー
ジョン・フェルダー：ドナルド・ミーク
ハーバート・A・ベル：スペンサー・チャータース
アン・ラトレッジ：ポーリーン・ムーア
ジョン・パーマー・キャス：ワード・ボンド
スクラブ・ホワイト：フレッド・コーラー・Jr

映画のポイント

ヘンリー・フォンダの名演： 若き日のリンカーンを演じたヘンリー・フォンダの演技は高く評価されており、彼の代表作の一つとなっています。
ジョン・フォード監督の演出： ジョン・フォード監督ならではの、人間ドラマを深く掘り下げる演出が光ります。
* 正義とは何かを問う物語： リンカーンが、困難な状況の中でいかに正義を貫くかを、深く考えさせられる作品です。

史実との違い

本作は、リンカーンが弁護士時代に担当した殺人事件を基にしていますが、フィクションの要素も含まれています。史実と異なる点があることに留意して鑑賞する必要があります。

余談

日本社会党委員長を務めた土井たか子氏は、若い頃にこの映画に感銘を受け、弁護士を目指したとされています。

映画『若き日のリンカーン』は、若き日のリンカーンの人間像を魅力的に描き出し、観る者に感動と勇気を与える名作です。

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