若年者就職基礎能力修得支援事業

若年者就職基礎能力修得支援事業について

若年者就職基礎能力修得支援事業（通称「YESプログラム」）は、2004年10月1日から始まり、2009年度をもって終了した日本のプログラムです。この事業は、厚生労働省が主体となり、若者の就職に必要な基礎能力を向上させることを目的としていました。

このプログラムの特徴は、事務職や営業職などに求められる基礎能力を5つの領域に分類している点です。具体的には、以下のような能力が求められました。

1. コミュニケーション能力
2. 職業人意識
3. 基礎学力
- 読み書き、計算・計数・数学的思考力、社会人常識
4. ビジネスマナー
5. 資格取得
- 情報技術関係、経理・財務関係、語学力関係

これらの能力は、高校卒程度の基礎レベルと大学卒程度の応用レベルに分けられ、それぞれ水準化されていました。このプログラムでは、認定講座や試験が設けられており、すべての試験に合格した参加者は厚生労働省に認定申請を行うことで、「若年者就職基礎能力修得証明書」が発行されました。この証明書は、履歴書とともに就職活動での強力な武器として活用されることを目指していました。

しかしながら、事業が進む中で企業や学生の間でこのプログラムの認知度が低いことが問題視され、実際の効果に対する疑問も残りました。多くの若者がプログラムを通じて必要なスキルを身につけたにもかかわらず、その価値が十分に理解されていなかったのです。

プログラムは2009年度に終了しましたが、その後も認定を受けた講座や試験については、引き続き有効な状態が維持されました。最も長いもので、認定は2012年（平成24年）9月30日まで有効でした。一方で、2010年度以降は新たに「若年者就職基礎能力修得証明書」が発行されることはなく、事業終了後においても既に取得した証明書の再発行は行われていません。このような経緯から、事業終了に伴う影響や未来への展望には、多くの課題が残っています。

このように、若年者就職基礎能力修得支援事業は、日本における若者の就職支援において重要な役割を果たしましたが、その認知度や活用方法の改善が求められていたことを考慮する必要があります。

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