英国宝石学協会

英国宝石学協会(The Gemmological Association of Great Britain, Gem-A)は、英国に拠点を置く国際的な宝石学教育資格認定機関です。

歴史


Gem-Aは、宝石学教育機関として世界で最も長い歴史を持ちます。その起源は1908年、英国金細工師協会(NAG)が、宝石業界向けの資格を提供するために設立した宝石学委員会に遡ります。1931年にはNAGの支部である英国宝石学協会へと発展し、その後独立した組織となりました。一時期は英国宝石学協会および宝石検査研究所(GAGTL)として知られていましたが、2007年に研究所を閉鎖し、教育と研究に注力する現在の形となりました。現在では世界中に40以上の教育センターと26か国のコミュニティを有しています。

教育プログラム


Gem-Aは、宝石学の基礎から応用までを網羅した教育プログラムを提供しています。主なコースは以下の3つです。

宝石学ファンデーション: 宝石学の基礎理論と宝石鑑別の基本を学びます。このコースは、宝石学ディプロマに進むための準備段階となります。
宝石学ディプロマ: より高度な宝石学理論と鑑別技術を習得します。ファンデーションコース修了者のみが受講できます。試験は論述形式で、理論試験と鑑別実技試験があります。合格者には「FGA」の称号が与えられます。
ダイヤモンドディプロマ: ダイヤモンドとその類似石に特化したコースです。ダイヤモンドの鑑別、品質評価(グレーディング)の知識と技術を習得します。合格者には「DGA」の称号が与えられます。

これらのコースは、Gem-A認定教育機関である日本宝飾クラフト学院で日本語による受講・受験が可能です。

資格


Gem-Aのディプロマ試験に合格し、メンバーシップ登録と年会費の支払いを経ることで、以下の称号を得ることができます。

FGA (Fellow of the Gemmological Association): 宝石学ディプロマ資格所持者に与えられる称号です。宝石学に関する高度な知識と鑑別技術を持つことを証明します。英国の資格・カリキュラム局による国家資格フレームワーク(NQF)において、学士号と同等のレベル6と認定されています。
DGA (Diamond member of the Gemmological Association): ダイヤモンドディプロマ資格所持者に与えられる称号です。ダイヤモンドに関する専門的な知識と鑑別技術を持つことを証明します。NQFにおいて基礎学位と同等のレベル5と認定されています。

FGA、DGAともに国際的に認められた資格であり、GIA(米国宝石学会)のG.G.(Graduate Gemologist)と並んで高い信頼を得ています。

出版物


Gem-Aは、宝石学に関する学術雑誌や情報誌を発行しています。

The Journal of Gemmology: 1947年から刊行されている宝石学の専門誌です。宝石の起源、特性、合成、処理など、宝石学のあらゆる分野に関する研究論文が掲載されています。Gem-A会員は最新号を閲覧できます。
* Gems & Jewellery: 1991年から刊行されている情報誌です。

最新刊以外の号はオンラインで閲覧可能です。

外部リンク


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