英語教授研究所

英語教授研究所について

英語教授研究所（The Institute for Research in English Teaching）は、1923年5月23日に日本の文部省内に設立された英語教育に特化した研究機関です。この研究所は、英語教育の研究を専門とする世界初の組織であり、文部省の英語教育顧問であったハロルド・パーマーが初代所長を務めました。設立当初から英語教育の発展を目指し、さまざまな活動を行っています。

設立の背景

英語教授研究所の設立は、ハロルド・パーマーが日本に来たことに始まります。当初、彼は官立学校での教員養成を期待されていましたが、最終的には文部省において英語教育全体の研究や指導を行うことに決まりました。1922年には東京帝国大学で「現代の言語教育法」と題した講演を行い、その後も各地で講演を重ねる中で、日本の英語教育に対する要望が高まりました。これに応じて、1923年2月に研究機関の設立が議論され、最終的に研究所が誕生しました。

主要なメンバーと経済的支援

設立にあたっては、岡田良平文部大臣が名誉総裁を務め、澤柳政太郎や松方幸次郎が副総裁として協力しました。また、森下辰之助（日東蓄音機株式会社社長）からの経済的援助も受けて、正式な名称「英語教授研究所」が決定され、1923年5月に発足しました。この研究所の設立は、日本における英語教育の質を高めることを目指したものでした。

設立年の活動

研究所が設立された1923年には、様々な講演会やイベントが行われ、ハロルド・パーマーはその中心人物として活躍しました。5月には東京高等師範学校で8回にわたる講演「Intonationについて」を開催し、続いて京都府や福岡県、香川県などで講演を行いました。12月には英語教育の実態調査委員会も設置され、教育現場の状況を把握するための活動が始まりました。

活動の拡大と国際的な影響

翌年以降も研究所の活動は活発で、全国各地で講演会や研究大会が開催されました。特に1924年には大阪や東京で講演や大会が行われ、さらに多くの教育関係者や学生に英語教育の重要性が浸透していきました。この研究所は、国内外の講師や研究者との連携を強化し、国際的な視点からも英語教育の研究を深めていきました。

専門的な研究と教育の質向上

研究所は設立から数十年にわたって、英語教育に関する研究や実践を通じて、教育の質向上に寄与してきました。特に、1930年代にはA・S・ホーンビーなどの著名な言語教育者が研究に関与し、英語教授法における理論と実践の発展に大きく貢献しました。また、教育の場においても、さまざまな教員研修や講演が定期的に行われ、多くの教師たちに新しい教育法が紹介されました。

現在に至るまでの活動

英語教授研究所は、設立から約100年にわたり、英語教育に関連するさまざまな研究や活動を行ってきました。現在においても、教育界におけるリーダーシップを発揮し続けており、国内外の研究者や教育者との効果的なネットワークを構築し、英語教育の普及や質の向上に貢献しています。これからも、英語教授研究所はより良い英語教育の実現に向けて邁進していくことでしょう。

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