茂浦鉄道

茂浦鉄道は、青森県に計画されたものの実現しなかった鉄道です。計画では、現在の青い森鉄道西平内駅付近から茂浦漁港付近を結ぶ予定でした。ここでは、その計画の経緯と詳細について解説します。

計画の背景

茂浦鉄道の構想は、19世紀末に遡ります。1893年、榎本武揚が茂浦港と朝鮮の雄基港を結ぶ外国航路を計画しましたが、議会の承認を得られず実現しませんでした。その後、1906年に再び茂浦築港と鉄道敷設計画が持ち上がり、1911年に鉄道敷設の許可が下りました。

しかし、工事は順調に進まず、第一次世界大戦の影響などもあり、1918年には鉄道免許が失効してしまいました。幻の鉄道計画として、茂浦鉄道は歴史の中に埋もれることとなりました。

計画の詳細

計画された路線の起点は、現在の西平内駅付近です。当時はまだ西平内駅も茂浦漁港も存在していませんでしたが、夏泊半島の東側に位置する茂浦地区まで鉄道を敷設する予定でした。具体的な路線の詳細や駅の位置などは、詳しい資料が残っていないため不明な点が多いです。

夏泊半島を挟んだ反対側の小湊漁港には、青函連絡船の小湊桟橋と小湊駅を結ぶ貨物線が設置されましたが、こちらも短命に終わっています。茂浦鉄道と同様に、地域の発展に貢献することはできませんでした。

経営者の不運

茂浦鉄道の経営者であった日向輝武は、1914年の大浦事件で逮捕されています。この事件が鉄道計画にどのような影響を与えたかは定かではありませんが、経営者自身の不運も、計画頓挫の一因であったと考えられます。

まとめ

茂浦鉄道は、地域の発展を目指した壮大な計画でしたが、時代の流れや経営者の不運など、様々な要因が重なり、実現することはありませんでした。しかし、その計画は、地域の歴史を語る上で重要な要素の一つとして、今も語り継がれています。

青い森鉄道 西平内駅

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