茅ヶ崎市立松林小学校

神奈川県茅ヶ崎市に位置する茅ヶ崎市立松林小学校は、地域社会に根差した長い歴史を持つ公立小学校です。

沿革

本校の起源は、明治時代初期に遡ります。1875年（明治8年）には六村学校が、次いで1882年（明治15年）には小和田学校がそれぞれ創立され、地域の教育を担いました。これらの学校は1894年（明治27年）11月3日に統合され、「尋常高等松林小学校」として新たな歴史をスタートさせました。同年11月には香川分教場も開設されています。

その後、学校の名称は時代の変遷と共に変化しました。1907年（明治40年）10月には茅ヶ崎町立松林小学校と改称され、翌1908年（明治41年）には校舎の改築が行われました。この改築を記念し、10月21日が開校記念日と定められました。

学校運営には様々な困難が伴いました。1923年（大正12年）9月1日に関東大震災が発生し、校舎が甚大な被害を受けましたが、地域社会の尽力により1928年（昭和3年）には新たな校舎が落成しました。香川分教場も1929年8月1日に新たな場所に建設されています。しかし、1939年4月10日には本校校舎が全焼するという悲劇に見舞われましたが、これも乗り越え、1940年12月23日に第一校舎、1942年10月14日には第二校舎が完成しています。

戦時体制下では、教育制度の変更に伴い、1937年（昭和12年）4月1日には神奈川県高座郡茅ヶ崎第三尋常小学校に、さらに1941年（昭和16年）4月1日には国民学校令に基づき神奈川県高座郡茅ヶ崎町立第三国民学校へと改称されました。

戦後、新教育制度が施行されると、1947年（昭和22年）4月1日には神奈川県高座郡茅ヶ崎町立第三小学校となり、そして茅ヶ崎市の市制施行を経て、1949年（昭和24年）4月9日に「神奈川県茅ヶ崎市立松林小学校」として現在の名称となりました。

戦後の復興期を経て、学校環境の整備が進みました。1951年11月10日には校歌（作詞：古関吉雄、作曲：岡本敏明）と校章が制定され、学校の象徴が確立されました。翌1952年5月にはPTAの協力によってプールが完成するなど、地域との連携も深まりました。

高度経済成長期には児童数が増加し、学校の分離・新設も行われました。1956年（昭和31年）1月1日には松浪小学校が設立され、本校から一部児童が移籍しました。また、1958年5月12日には特殊学級が設置され、多様なニーズに対応した教育が始まりました。1964年（昭和39年）4月1日には長らく分教場であった香川分校が独立し、茅ヶ崎市立香川小学校として開校しました。同年11月1日には小プールも完成しています。

老朽化した木造校舎に代わり、鉄筋コンクリート造りの校舎への改築が進められました。1969年から1972年にかけて段階的に工事が進み、近代的な校舎が整備されました。また、1974年（昭和49年）4月1日には茅ヶ崎市立小和田小学校、1979年（昭和54年）4月1日には茅ヶ崎市立室田小学校がそれぞれ設立され、再び一部の児童が新設校へ移籍し、学校規模が適正化されました。1980年8月9日には旧来の木造校舎と講堂が撤去され、1981年3月25日には屋内運動場（体育館）が完成しました。

平成に入ってからも施設整備は続き、1991年（平成3年）3月31日には鉄筋コンクリート造り2階建ての特別教室棟と、2槽式のプールが完成しました。近年では施設の安全性向上にも力が入れられており、2003年8月からは校舎西側、2007年（平成19年）6月には体育館の耐震改修工事が実施されています。

著名な出身者

茅ヶ崎市立松林小学校は、多方面で活躍する多くの卒業生を輩出しています。特に著名な人物としては、プロ野球界で長きにわたり活躍した元投手である山本昌（本名：山本昌広）氏や、彫刻、造園、デザインなど幅広い分野で国際的に評価される芸術家イサム・ノグチ氏が挙げられます。

所在地

本校は神奈川県茅ヶ崎市松林1丁目1番地1号に位置しています。

通学区域

主な通学区域は、松林1丁目から3丁目（一部を除く）、菱沼1丁目から2丁目（一部を除く）、小和田1丁目から2丁目（一部を除く）、本町3丁目（一部）、赤羽根（一部を除く）、および小桜町となっています。

主な進学先

卒業生の多くは、近隣にある茅ヶ崎市立松林中学校へ進学します。

長い歴史の中で、幾多の困難を乗り越え、地域社会とともに発展してきた茅ヶ崎市立松林小学校は、これからも未来を担う子供たちの教育に貢献していきます。

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