茨城県公安委員会

茨城県公安委員会とは

茨城県公安委員会（いばらきけんこうあんいいんかい）は、茨城県における公共の安全と秩序維持を担う茨城県警察の活動を管理・監督するために設立された行政委員会です。この委員会は、警察が特定の政治的圧力や不当な干渉を受けることなく、常に公正かつ中立な立場でその職務を遂行できるよう、県民の意向を反映させた適切な運営を図ることを目的として、茨城県知事の管轄下に設置されています。

公安委員会は、合議制の機関として機能し、警察行政に関する重要な事項について審議・決定を行います。これにより、警察の権限行使の適正を期し、民主的な警察運営を実現しています。

組織と委員

茨城県公安委員会は、法律に基づき3名の委員で組織されています。委員は、その人格が高潔で、かつ、識見が広い者のうちから、公安または司法に関する専門的な経験を有する者について、県議会の同意を得た上で茨城県知事が任命します。

現在の委員構成は以下の通りです。

委員長：冨田 信穂 氏（常磐大学名誉教授）
委員：本間 源基 氏（元ひたちなか市長）
* 委員：寺門 一義 氏（常陽銀行会長）

これらの委員は、多様な分野での豊富な経験や専門知識を活かし、県警察の活動に対する指導・監督、重要事項の決定などに携わります。

役割と権限

茨城県公安委員会の最も重要な役割は、茨城県警察を管理することです。この管理には、警察の組織運営に関する基本方針の策定や承認、予算の執行に関する事項、そして最も重要な職務の一つとして、茨城県警察本部長の任免についての同意権が含まれます。

また、公安委員会は、警察の活動に対する県民からの意見や要望を受け付け、警察行政に反映させる窓口としての機能も担います。さらに、警察職員の規律維持や不正行為の監察なども重要な職務であり、警察の透明性と信頼性を確保するために不可欠な役割を果たしています。

これらの職務を通じて、公安委員会は、県民の生命、身体、財産の保護、犯罪の予防及び捜査、交通安全の確保、その他公共の安全と秩序の維持という警察本来の使命が、民主的かつ効率的に遂行されるよう監督しています。

所在地

茨城県公安委員会の事務局は、茨城県水戸市笠原町978-6に位置しています。この所在地は、茨城県庁舎などがあるエリアに近く、県警察本部とも連携しやすい環境にあります。委員会の会議は主にこの事務局で行われ、日々の業務や県警察との連絡調整が行われています。

下部組織：茨城県警察

茨城県公安委員会の管理下に置かれている実動部隊が、茨城県警察です。茨城県警察は、県内に多数の警察署や交番・駐在所を設置し、約5,000人規模の警察職員によって構成されています。捜査活動、パトロール、交通違反の取締り、少年非行防止活動、地域住民との連携など、多岐にわたる具体的な警察活動を展開し、県内の治安維持の最前線で活動しています。

公安委員会は、警察がこれらの実務を効果的かつ適切に遂行できるよう、大局的な視点から方針を示し、運営全般に対する指導と監督を行います。

まとめ

茨城県公安委員会は、茨城県警察を管理するという重要な責務を担う行政委員会です。3名の委員による合議制のもと、警察活動の適正化、民主化、能率化を図り、県民の安全・安心な生活を守るための基盤を築いています。その活動は、茨城県の治安維持と社会秩序の安定に不可欠なものとなっています。

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