茨城県立玉造工業高等学校

茨城県立玉造工業高等学校

茨城県立玉造工業高等学校（いばらきけんりつ たまつくりこうぎょうこうとうがっこう）は、茨城県行方市芹沢に位置する公立の工業高等学校です。地域産業を支える技術者の育成を教育目標として掲げ、専門的な知識と実践的な技術の習得を目指しています。

教育システム

本校の教育システムは、2006年度に大きな転換点を迎えました。それまでの学科別入試を廃止し、「工業に関する学科」として一括での募集を開始しました（いわゆる括り募集）。これにより、入学段階で特定の専門分野に限定されることなく、より幅広い視野を持って工業分野を学ぶことが可能になりました。

入学後の1年間は、全ての生徒が工業技術の基礎を共通のカリキュラムで学びます。物理、数学といった基礎学力に加え、工業概論や実習などを通じて、ものづくりに関する基本的な知識や技能を習得します。この共通学習期間は、生徒自身が様々な分野に触れ、自身の興味や適性を見極めるための重要な期間と位置づけられています。

2年次からは、各自の希望と適性に基づいて専門学科を選択し、より高度で専門的な学習へと進みます。この段階で選択できる学科は以下の通りです。

機械科: 機械の設計、製作、加工、運用など、機械工学に関する広範な知識と技術を習得します。ものづくりの根幹をなす分野であり、製図から溶接、切削加工、さらにはCAD/CAMといった先端技術まで学びます。
電気科: 電気回路、電力、電子、通信、制御など、電気工学全般にわたる専門知識と技術を学びます。電気設備の設計・施工・管理、電子機器の開発、自動制御システム構築など、現代社会に不可欠な電気技術者を育成します。
情報技術科: 2007年度に新たに設置された学科です。コンピュータシステム、プログラミング、情報通信ネットワーク、データベースなど、高度情報化社会を支える情報技術に関する専門知識と技能を習得します。ソフトウェア開発やシステム構築など、多岐にわたる分野での活躍を目指します。

これらの学科選択制は、生徒が1年間の学びを通して自身の適性や将来の進路をじっくりと考えた上で、最適な専門分野に進むことができるよう配慮されたシステムと言えます。なお、工業高校の特性上、女子生徒の割合は比較的少ない傾向にあります。

沿革

本校は長年にわたり、地域における工業教育の中心的な役割を担ってきました。主な沿革は以下の通りです。

1963年4月1日: 茨城県立玉造工業高等学校として設立され、開校しました。
2008年7月: 学校施設の近代化に伴い、長年使用されてきた主要校舎である本館の解体作業が開始されました。
2009年10月13日: 新たな学習環境を提供するため、管理・普通教室棟が完成しました。
2009年11月7日: 新しい管理・普通教室棟（新本館）の竣工式が盛大に挙行され、施設の充実が図られました。

設立以来、社会の変化や技術の進歩に対応しながら教育内容の充実に努め、多くの卒業生を産業界に送り出してきました。

関連項目

茨城県高等学校一覧
日本の工業高等学校一覧

外部リンク

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