茨城県立結城第一高等学校

茨城県立結城第一高等学校

茨城県立結城第一高等学校（いばらきけんりつゆうきだいいちこうとうがっこう）は、茨城県結城市に所在する県立の高等学校です。

概要と沿革

本校の起源は、今から120年以上前の1897年（明治30年）4月19日に設立された結城町立結城蚕業学校に遡ります。これは、当時の地域主要産業であった養蚕業を振興するため、専門的な知識と技術を持つ人材育成を目指して創設されました。同年6月には結城町立染織学校も併設され、地域産業に深く根ざした教育機関としての歩みを始めています。

設立から数年後の1902年（明治35年）には、時代の要請に合わせて結城町立結城農学校と改称され、農業教育が中心となります。その後、1929年（昭和4年）に茨城県へ移管され、茨城県立結城農学校として新たな段階へと進みました。

第二次世界大戦後の教育制度改革を経て、1948年（昭和23年）に茨城県立結城農業高等学校へと名称が変更されます。さらに翌年の1949年（昭和24年）には、商業科と定時制課程を増設し、この際に現在の校名である茨城県立結城第一高等学校となりました。長きにわたり、本校は県西地区の農業教育を牽引する存在として知られていました。

学科構成は社会の変化に応じて変遷を遂げています。1972年（昭和47年）には商業科が独立し、茨城県立鬼怒商業高等学校として分離。これにより、再び単独の農業高校となります。多様な進路に対応するため、1983年（昭和58年）に普通科を設置。そして、1993年（平成5年）には農業科の生徒募集が停止され、これをもって農業高校としての歴史に幕を閉じ、普通科単独の高等学校として再出発を図りました。

学校施設の整備も継続的に行われています。1994年（平成6年）には野球グラウンドが改修され、1997年（平成9年）2月には合宿所が新設されました。同年11月には創立100周年記念式典が執り行われ、多くの関係者が集まりました。近年では、2005年（平成17年）2月に新しい体育館が完成しています。

学校の特徴

本校の教育理念を示す校訓は「自彊不息（じきょうやまず）」です。これは「自ら努め励んで、やむことがない」という意味を持ち、生徒たちが常に向上心を持って自己研鑽に励むことの大切さを説いています。

キャンパスは緑豊かな環境に恵まれており、学校の象徴でもあるケヤキやクスノキの巨木が木陰を作り、落ち着いた雰囲気の中で学習に集中できます。

特筆すべきは、地域の伝統文化である結城紬に関する教育施設を有している点です。校内には、国の重要無形文化財に指定されている結城紬の技術を体験的に学べる「つむぎ教室」が設けられています。ここでは、生徒たちが結城紬の糸つむぎや機織りなどを体験することができ、地域の歴史や伝統産業への理解を深める貴重な機会となっています。この施設は、体験学習の場としてだけでなく、関連する部活動の活動拠点としても利用されています。

現在の教育体制は、全日制課程の普通科のみで構成されています。各学年は4学級編成となっており、一学年の生徒定員は160名です。少人数編成を活かし、生徒一人ひとりに目が行き届く教育を目指しています。

主な出身者

本校は、社会の様々な分野で活躍する卒業生を多数輩出しています。主な卒業生としては、須藤茂氏（筑西市長）、写真家の青木豊氏、宮崎勇氏（茨城県議会議員）、平塚明氏（結城市議会議員、元結城市長）などが挙げられます。地域社会に貢献し、リーダーシップを発揮する卒業生たちの存在は、本校の歴史と教育の成果を示すものです。

茨城県立結城第一高等学校は、地域の産業を支える学校として始まり、学科の改変を経て、現在は普通科単独の高等学校として新たな時代を歩んでいます。長年にわたり培われた歴史と伝統を受け継ぎ、「自彊不息」の校訓のもと、地域文化である結城紬に触れる機会も提供しながら、生徒たちの成長を支援しています。

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