茶屋後新田

茶屋後新田（ちゃやのちしんでん）

愛知県名古屋市港区にある「茶屋後新田」は、地域の歴史を色濃く残す大字です。この地名は現在の南陽町大字茶屋後新田として知られていますが、過去には様々な名称や地理的変遷を経てきました。ここでは、茶屋後新田の地理、歴史、行政区画の変遷などについて詳しくご紹介します。

地理

茶屋後新田は名古屋市港区の南西部に位置しており、周囲は町名整理が進んだ結果、大部分は他の町名に統合されています。現在では、福田川の河川用地などごく限られた区画が残るのみです。3つの小字が設定されていますが、消滅したものも存在し、地域の歴史を物語っています。

歴史

この地名の起源は、江戸時代の海東郡茶屋後新田にさかのぼります。開発は茶屋新田の開発者であった茶屋長意の子、中島新四郎良延によって行われ、茶屋新田の後に開発されたことから「茶屋後新田」と呼ばれるようになりました。ただし、開発年については明確な証拠がなく、「尾州茶屋日記」では延宝5年とされ、「地方古義」や「尾張徇行記」ではそれぞれ延宝6年、7年と記録されています。

新田の設立後、経営が悪化したため、文化8年には関戸家からの借入が生じ、所有権の3分の2が関戸家、残りの3分の1が伊藤家に譲渡されました。明治初期には関戸家がすべての権利を掌握しました。

行政区画の変遷

茶屋後新田は、1889年10月1日に海東郡茶屋後新田として合併し、同郡福屋村の一部となりました。1906年には海東郡南陽村の大字茶屋後新田に変わり、1913年には新たに設立された海部郡に組み込まれました。1949年には町制が施行され、海部郡南陽町の大字茶屋後新田となりました。

1955年には名古屋市港区南陽町大字茶屋後新田として再編され、1965年には港区南陽町の他の地域との境界が変更されました。さらに1990年には、大部分が新茶屋一丁目から五丁目に編入され、今ではその大半が名古屋市内の他の町名と融合しています。

結論

茶屋後新田は、長い歴史の変遷を経て現在に至るまで、多くの地名や行政区画の変更を受けながら地域社会を形成してきました。この地名を紐解くことで、名古屋市港区の発展の歩みや、地域に根付いた文化について理解が深まります。

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