草場有輝

草場 有輝（くさば ゆうき）

草場 有輝（くさば ゆうき）は、1987年6月21日生まれの日本のミュージカル俳優およびバレエダンサーである。茨城県水戸市で生を受け、東京都練馬区で育った。かつては劇団四季に所属し、現在はアメリカのバレエ団に籍を置きながら、日本のミュージカル作品にも出演するなど、国内外の舞台で幅広く活躍している。

来歴

幼少期よりバレエに親しみ、将来のキャリアとして志すようになった草場は、高校卒業後、立教大学に進学するも、大学での学びとは異なる道を追求するため、わずか一日で退学するという異色の経歴を持つ。その後、バレエの本場の一つであるカナダへ留学。現地でプロのバレエダンサーとして本格的な活動を開始し、その技術と経験を磨き上げた。

長年バレエダンサーとして活動していた草場だが、新たな表現の場としてミュージカルに魅力を感じ、活動の転換を図る。2014年6月、日本の代表的な劇団である劇団四季のオーディションに挑戦し、見事に合格。劇団員として入団し、ミュージカル俳優としてのキャリアをスタートさせた。

劇団四季での初舞台は、入団から間もない2014年10月18日。新名古屋ミュージカル劇場にて上演されたディズニーミュージカル『美女と野獣』で、アンサンブル5枠（チーズおろし役）を務めた。これは、プロのバレエダンサーからミュージカル俳優への転身を果たした彼にとって、記念すべき第一歩となった。

劇団四季では、様々な人気作品に出演し、その表現力を磨いた。代表的な出演作品としては、『美女と野獣』のアンサンブルの他、『キャッツ』では若々しい猫コリコパット役、そして高いダンス技術が求められるミストフェリーズ役を務め、その身体能力と演技力で観客を魅了した。『ウィキッド』ではアンサンブル4枠（チステリー役）、『アンデルセン』ではアンサンブル8枠、『パリのアメリカ人』ではアンサンブル6枠、『オペラ座の怪人』ではダンサー役として出演するなど、その活動は多岐にわたった。約7年間の在籍期間中、これらの主要な役柄やアンサンブルとして、多くの舞台経験を積んだ。

退団後の活動

2021年夏、草場は劇団四季を退団。新たな挑戦の舞台として、海外へ活躍の場を移すことを決意し、アメリカへ渡った。現在はアメリカ国内のバレエ団に所属しており、再びバレエダンサーとしての活動も本格的に行っている。

アメリカでの活動を拠点としながらも、草場は日本の舞台からも離れていない。帰国する際には、東宝や梅田芸術劇場といった日本の主要なプロダクションが手掛けるミュージカル作品にゲスト出演する形で参加している。退団後に出演した主な作品としては、東宝ミュージカル『マドモアゼルモーツァルト』、『プロデューサーズ』、梅田芸術劇場『アナスタシア』などがあり、その活動の幅広さを示している。

バレエで培った卓越した身体能力と、劇団四季で培ったミュージカル俳優としての表現力を併せ持つ草場有輝は、現在、アメリカでのバレエ活動と、帰国時における日本のミュージカル出演という、国際的かつ分野横断的な独自のキャリアを築いている。そのしなやかで力強いパフォーマンスは、観る者に深い印象を与え続けている。

もう一度検索