草思社

株式会社草思社

株式会社草思社（そうししゃ）は、主に一般向けに人文・社会科学関連の書籍を出版する日本の出版社です。1968年に加瀬昌男によって設立されたこの会社は、特に川島令三の『全国鉄道事情大研究』や徳大寺有恒の『間違いだらけのクルマ選び』シリーズなどの出版で広く知られています。

出版の歴史と影響

草思社は1976年に出版した徳大寺有恒著『間違いだらけのクルマ選び』が続編と共に100万部を超えるベストセラーとなり、その後の発展を支えました。しかし、2008年1月9日には民事再生法の適用を申請し、約22億5000万円の負債を抱える事態に陥りました。この経営危機は、162万部のミリオンセラーを記録した『声に出して読みたい日本語』以降、50万部を超える書籍を新たに出版できなかったことや、単行本だけに依存していたことが影響しているとされています。

同年、再生計画を提出し、7月には文芸社の完全子会社として再始動しました。これにより、新たな経営戦略が立てられ、事業の安定化が図られました。ついでに、2011年2月には文庫レーベル「草思社文庫」を設立し、幅広い読者層に向けた出版を強化しました。

主な出版物と著者

草思社は、自社のPR雑誌『草思』も発行しているほか、多くの著書を抱えています。代表的な書籍には、ポール・ケネディの『大国の興亡』やクリフォード・ストールの『カッコウはコンピュータに卵を産む』、そして齋藤孝の『声に出して読みたい日本語』があり、これらはいずれも高い評価を受けています。

また、金完燮の『親日派のための弁明』や、川島令三氏の『全国鉄道事情大研究』シリーズ、横田早紀江の著書『めぐみ、お母さんがきっと助けてあげる』など、特に社会的なテーマを扱った作品も多いため、広範な読者層に対する影響力があります。

会社の沿革

株式会社草思社の沿革は以下の通りです。

• - 1968年: 加瀬昌男によって設立。
• - 1976年: 徳大寺有恒著『間違いだらけのクルマ選び』を刊行し、続編が併せて成功を収める。
• - 2002年: 創業者の加瀬が社長職を退き、木谷東男が社長に就任。
• - 2006年: 徳大寺の本が年2回の発行から終了、最終版を出版。
• - 2008年: 民事再生法の適用申請。
• - 2008年6月: 再生計画認可。
• - 2008年7月: 文芸社の完全子会社として再建。
• - 2011年: 文庫レーベル「草思社文庫」を発足。

このように、草思社はさまざまな課題を乗り越え、再建を果たした実績を有しています。現在でも、質の高い書籍を提供し続けている同社は、今後の成長が期待される出版社の一つです。

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