草野なつか

草野なつか監督は、1985年生まれの日本の映画監督であり、小説家としても活動しています。神奈川県出身で、東海大学文学部文芸創作学科を卒業後、映画美学校第12期フィクション・コース高等科を修了しました。

映画の道に進むきっかけとなったのは、大学時代に受講した山根貞男氏の授業でした。インディーズ映画の撮影や製作に携わった後、2014年に『螺旋銀河』で長編映画監督デビューを果たしました。この作品は、「SKIPシティ国際Dシネマ映画祭」で監督賞を受賞しただけでなく、シンガポールやフィンランドの映画祭にも参加し、ドイツの日本映画祭「ニッポン・コネクション」では審査員賞を受賞するなど、国内外で高い評価を得ました。

2016年には、愛知芸術文化センターの助成を受けて長編第2作『王国（あるいはその家について）』を監督しました。この作品は、2019年に再編集版が製作され、英国映画協会によって優れた現代日本映画の一本に選ばれるなど、海外でも注目を集めました。イギリスの『ガーディアン』紙は、この作品を「日常的な会話が不安と恐れをはらみ、コントロールできなくなっていく様子を、厳しい密室劇として描いた」と評し、コロナ禍時代の映画であると分析しています。

2023年には、舞台製作を手がける「マレビトの会」による「広島を上演する」シリーズの一環として、短編映画『夢の涯てまで』を監督しました。この作品は、マルセイユ国際映画祭でも上映されるなど、その作品は国内外で注目を集めています。

草野監督の作品は、以下の通りです。

映画

少女と夏の終わり（2012年） - 撮影
Dressing Up（2012年） - 制作
螺旋銀河（2014年） - 監督・脚本
王国（あるいはその家について）（2018年） - 監督
夢の涯てまで（2023年）- 監督

ミュージック・ビデオ

Little Phrase「Hanami by the River」（2015年）

小説

「丘の船着き場」（『ことばと』書肆侃々房、5号、2022年）

草野監督の作品は、スローシネマやアート映画、自主映画といったジャンルに分類されることもあります。また、濱口竜介監督や小森はるか監督といった、他の映画監督との関連も指摘されています。

草野なつか監督は、その独特な視点と繊細な演出で、観客に深い印象を与える作品を制作し続けており、今後の活躍が期待される映画監督の一人と言えるでしょう。

参照元

草野なつか - KINENOTE
* Natsuka Kusano - IMDb（英語）

もう一度検索