草野駅 (福島県)

草野駅（くさのえき）

駅の概要

福島県いわき市平泉崎字向原に位置する草野駅は、東日本旅客鉄道（JR東日本）が運営する常磐線の駅です。

歴史

草野駅は、今から100年以上前の1897年（明治30年）8月29日に、当時は私鉄であった日本鉄道の駅として開業しました。鉄道事業の国有化の流れの中で、1906年（明治39年）11月1日には官設鉄道の一部となり、その後の1909年（明治42年）10月12日の線路名称制定に伴い、常磐線に所属する駅となりました。第二次世界大戦後の1949年（昭和24年）6月1日に日本国有鉄道が発足し、その管理下に置かれましたが、時代の変化と共に、貨物取扱いは1980年（昭和55年）4月1日に終了し、続いて荷物扱いも1984年（昭和59年）2月1日に廃止され、旅客専業駅へと移行しました。1987年（昭和62年）4月1日の国鉄分割民営化に伴い、東日本旅客鉄道（JR東日本）の駅として運営が引き継がれました。

2011年（平成23年）3月11日に発生した東日本大震災では、常磐線沿線が甚大な被害を受け、当駅も一時的に営業を休止しましたが、懸命な復旧作業の結果、同年4月17日には運転を再開することができました。近年では、2020年（令和2年）3月14日に常磐線の一部区間が東京近郊区間に組み込まれたことにより、ICカード「Suica」での乗降が可能となりました。同時に、駅係員が常駐しない終日無人駅となっています。さらに、2024年（令和6年）10月1日からは、指定席券売機のない駅でもきっぷを受け取れる「えきねっとQチケ」のサービスが開始されました。

駅構造と設備

草野駅は地上に設置された駅で、2つのホームと3本の線路（2面3線）を有しています。駅舎から見て、列車が発着するホームは跨線橋によって相互に連絡されています。駅の管理業務はいわき駅を拠点とするいわき統括センターが行っており、駅員配置のない無人駅として運用されています。

駅舎については、長年にわたり使用されてきた旧駅舎が2022年（令和4年）に取り壊され、利用者の利便性を考慮したコンパクトな新駅舎が完成しました。新しい駅舎内には、乗車駅証明書を発行する機械や簡易Suica改札機が設置されているほか、列車の運行情報をリアルタイムで確認できるモニター、雨風をしのげる待合室、飲み物の自動販売機などが備えられています。

駅構内には列車を留めておくための留置線が設けられており、主に普通列車の夜間留置に活用されています。かつては特急列車の留置も行われていましたが、2016年（平成28年）3月のダイヤ改正以降は、特急列車の留置はいわき駅で行われるよう見直されています。

のりばの案内は以下のようになっています。

1番線：常磐線 上り（いわき方面）
2番線：常磐線 当駅始発列車
* 3番線：常磐線 下り（原ノ町方面）

特に2番線は、当駅を始発として出発する列車が主に使用するホームです。

利用状況

東日本旅客鉄道が公表している情報によると、2000年度（平成12年度）から2018年度（平成30年度）にかけての1日平均乗車人員の推移が確認できます。

周辺

駅周辺は、福島県いわき市平泉崎の地域となっており、主に住宅や田畑、自然環境が広がっています。

その他

JR西日本の福知山線（JR宝塚線）にも同じ「草野駅」という名称の駅（兵庫県丹波篠山市）が存在します。このため、乗車券などの券面では誤認を防ぐために「（常）草野」と表記されることがあります。なお、Suicaなどの全国交通系ICカードの利用が可能となった時期は、福知山線の草野駅の方が常磐線の草野駅よりも早く対応していました。

隣接駅

東日本旅客鉄道（JR東日本） 常磐線における当駅の隣の駅は以下の通りです。

いわき駅 - 草野駅 - 四ツ倉駅

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