荒山徹

荒山 徹 (あらやま とおる)

荒山徹は1961年に生まれた日本の小説家で、主に伝奇小説の分野で活動しています。富山県高岡市に生まれた彼は、現在は大阪府に住んでいます。上智大学を卒業後、読売新聞の記者として勤務し、その後新聞社や出版社での経験を経て作家として独立しました。

作家としてのスタート

彼の作家人生は、在日韓国・朝鮮人の指紋押捺反対運動を取材したことから始まりました。この取材をきっかけに韓国との関わりに興味を持ち、独学で韓国語を学び始め、さらには韓国に留学するに至ります。以降、資料収集のために日韓を行き来する日々を送り、朝鮮半島を背景にした作品を数多く執筆することになります。

作風と特徴

荒山の作風は、伝奇作家として山田風太郎と比較されることが多いですが、彼の最大の特徴は韓国での留学経験を生かし、朝鮮史とのクロスオーバーを図った点です。作品の中には、多くの朝鮮半島や朝鮮人のキャラクターが登場し、特に実在の有名人の正体を朝鮮人とする設定も多く見られます。

また、彼の作品に登場するのは朝鮮妖術師や高麗忍者、朝鮮柳生といったキャラクターであり、彼らは妖術や剣術を駆使し、時には怪獣や像などを操ることもあります。敵役として日本武将の妻や愛人なども朝鮮人美女として描かれることが多く、物語に華やかさを与えています。荒山はまた大胆なオマージュやパロディも行い、ロボットアニメや怪獣映画、韓国ドラマ、宝塚、日本の歌謡曲など、幅広いジャンルからの影響を感じさせます。

特筆すべきエピソード

代表作の1つ『十兵衛両断』には、「鶏林大学校の黄算哲教授」という実在しない架空の人物が登場します。このキャラクター名は、荒山の名前と同音であることから作られたジョークであり、作品全体にユーモアを加えています。

受賞歴と作品

荒山は数々の賞にノミネートされ、受賞経歴も持っています。特に2008年には『柳生大戦争』で舟橋聖一文学賞を受賞し、2017年には『白村江』が歴史時代作家クラブ賞を受賞しました。彼の作品には、1999年発表の『高麗秘帖 朝鮮出兵異聞 李舜臣将軍を暗殺せよ』、2002年の『魔岩伝説』、2005年の『柳生薔薇剣』、2016年の『白村江』など、多くの長編小説が含まれています。

最新情報

最近では2023年に『風と雅の帝』がPHP研究所から出版されるなど、現在も精力的に活動している作家です。彼の作品は、歴史とフィクションが融合した独自の魅力を持っており、多くの読者に支持されています。荒山徹氏の今後のさらなる活躍にも期待が寄せられています。

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