荻原久男

荻原久男氏は、1948年1月3日に埼玉県川越市に生を受けました。野球との出会いは、地元の川越市立富士見中学校でした。ここでは軟式野球に打ち込み、卒業後も大崎電気工業に進んで軟式野球を続けました。

プロへの挑戦と入団

アマチュア野球の世界で経験を積んだ後、プロ野球への挑戦を決意します。当時のサンケイアトムズ（現在の東京ヤクルトスワローズ）の門を叩き、練習生としてチームに加わりました。日々の練習に励む中で、その実力が認められ、1967年にはドラフト会議を経ないテスト入団という形で正式にプロ契約を結ぶことになります。軟式野球出身者がプロ入りするのは、当時としても珍しいケースであり、彼のプロ野球への強い意志と、チームに認められた能力の証と言えるでしょう。

プロ野球選手としての役割

プロ野球選手としての登録はなされましたが、彼の主な役割は左打者の練習相手となる打撃投手でした。チームの打撃練習を陰で支える重要な存在として、彼は長年にわたりその任務を遂行しました。プロの厳しい世界では、選手一人ひとりに求められる役割があり、打撃投手もまた、チームのレベルアップには欠かせないポジションです。

一軍公式戦出場なし

プロ野球選手として最も注目されるべき場所である一軍の公式戦において、彼は一度も出場機会を得ることはありませんでした。しかし、チームの一員として、日々の練習や遠征に帯同し、選手たちが最高のパフォーマンスを発揮できるようサポートする重要な役割を果たしていました。

現役引退

プロの世界でユニフォームを着続けた期間は限られており、1973年をもって現役を引退しました。短いプロ野球人生ではありましたが、練習生からテスト入団を経てプロのユニフォームを着たという経緯は、彼の野球人生における大きな足跡と言えるでしょう。

背番号の変遷

サンケイアトムズ、そして球団名が変更されたヤクルトアトムズ時代を通して、荻原氏は以下の背番号を着用しました。

1968年から1970年：72
1971年から1972年：52
* 1973年：49

短い期間に背番号の変更を経験しながらも、彼はプロ野球の世界に身を置き続けました。

荻原久男氏のプロ野球人生は、一軍での華やかな活躍こそありませんでしたが、打撃投手という立場でチームを支えた貴重なキャリアでした。彼の名前は、東京ヤクルトスワローズの歴史の一部として記憶されることでしょう。

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