菅義偉内閣

菅義偉内閣の概要

菅義偉内閣は、2020年9月16日に菅義偉が第99代内閣総理大臣に就任したことから始まりました。彼は内閣官房長官、拉致問題担当大臣を勤めるとともに、衆議院議員として活動し、自由民主党の党首でもありました。この内閣は、自由民主党と公明党による連立政権、すなわち「自公連立政権」として形成されました。菅が総裁選で選ばれたことを受けて、安倍晋三元首相が主導した第4次安倍第2次改造内閣が総辞職しました。その後、菅内閣が発足する運びとなります。

菅内閣は、鈴木善幸内閣以来戦後2度目の東北地方出身者による内閣であり、名が似た菅直人とは異なることを明確にするため、フルネームで呼ばれることが多いです。

内閣の構成

内閣のメンバーには、自由民主党から複数の派閥が参加し、内閣官房副長官や大臣政務官などの重要なポジションにも多数の政治家が任命されました。2020年9月16日に主要な役職者が任命された後、内閣の顔ぶれが決定し、その後の行政運営が本格始動しました。

政策の実施

菅首相はこの内閣を「国民のために働く内閣」と位置付け、携帯電話料金の引き下げや、経済政策においては安倍前政権のアベノミクスを継承することを公言しました。また、所信表明演説では「自助、共助、公助、そして絆」という価値観を掲げ、政府の役割についての考え方を示しました。

新型コロナウイルス対策

菅内閣の重要な課題は新型コロナウイルス感染症（COVID-19）への対応でした。2021年1月7日、新型コロナ感染が再拡大する中で、東京都及び周辺の県に緊急事態宣言を発令し、医療体制の強化に努めました。特にワクチン接種の推進に力を入れ、ワクチン接種種を確保するために複数の製薬会社と契約を締結しました。

菅内閣は、2021年1月中旬から医療従事者を対象にワクチン接種を開始し、65歳以上の高齢者を優先した計画を立てました。さらに、職域接種や自衛隊を活用した大規模接種会場の設置も行い、接種のスピードを加速させました。

規制改革とデジタル化

菅首相は、行政の縦割りを打破し規制改革を推進する意向を示し、特にデジタル庁の設置を重要な政策の一つとして掲げました。デジタル庁は、行政のデジタルトランスフォーメーションを進める組織であり、様々な政策を集約して推進する役割を担います。

デジタル庁の新設に関する法案は、2021年1月召集の国会で提出され、デジタル社会の形成を強力にサポートすることを目指しました。また、IT調達予算の一元化や、サイバーセキュリティの強化にも取り組む方針です。

日本学術会議の任命問題

内閣の発足後、日本学術会議に関連する問題も浮上しました。推薦された新会員の中で、特定の6人が任命から除外されたことで、政府の意向が働いたとの批判が起こりました。この件について菅内閣は理由を明らかにせず、議論が続きました。この経緯を受けて菅首相は、学術界の改革の必要性を訴えることになります。

菅首相の退任

菅義偉内閣は、2021年9月に次期自由民主党総裁選への不出馬を表明し、その後、2021年10月4日に総辞職を決定しました。彼の任期は384日で、岸田文雄が次の総理大臣に就任し、次の内閣が形成されました。菅内閣の政策は、今後の日本政治に影響を与えるものとして注目されています。

もう一度検索