菊判

菊判（きくばん）について

菊判とは、特に日本において利用される紙の一種で、そのサイズは縦939mm、横636mm（3尺1寸×2尺1寸）です。このサイズは、明治時代の中頃に、日本橋の川上正助店が横浜にあるアメリカン・トレージング商会に注文し、アメリカから輸入されたことが始まりとなります。

当初、菊判は新聞用紙として用いられていましたが、その後は一般の出版物にも利用されるようになりました。商標については、複数の理由に基づき、最終的に「菊」は選ばれました。まず、「ダリアの花」が輸入紙の商標として使用されており、これは菊に似ています。また、新聞の「聞」という字が「きく」と読まれることや、菊が皇室の紋章であることも影響していると言われています。こうして「菊印判」として商品化され、多くの人々に受け入れられ流行しました。その後、菊印判は略称として「菊判」と呼ばれるようになりました。

書籍における菊判の使用

菊判は、書籍においても特に広く使用されており、そのサイズは菊判紙を縦横ともに4分の1（16折り）にしたもので、縦218mm、横152mm（7寸2分×5寸）です。このサイズはA5判よりも少し大きく、文学作品や学術書、一般書籍などさまざまな書籍で利用されています。また、菊判のバリエーションとして、縦が227mmになるタイプも存在します。

さらに、菊判を倍に拡大した菊倍判も存在し、縦304mm、横218mm及び306mm×227mmのサイズがあり、特に雑誌等で頻繁に使用されます。ただし、雑誌で使用される際には通常、これよりも一回り小さいサイズが多い傾向にあります。

他の判との比較

菊判の他にも、日本ではいくつかの異なる判型が存在しています。例えば、ブランケット判やベルリナー判などがあり、各々異なるサイズで出版物に利用されています。これらの判型は、特定の用途やジャンルに応じて選ばれることが一般的です。特に、紙のサイズは読みやすさや装丁に影響を与えるため、出版物のデザインにおいて重要な要素となります。

まとめ

菊判は、明治時代以来、新聞や書籍の分野で一貫して利用されてきた紙のサイズであり、その魅力は時代を超えて受け入れられてきました。菊判という名称の由来や関連の情報を知ることで、今後の出版物や書籍デザインに対する理解が深まるでしょう。このように、菊判は日本の出版文化における重要な一部分を担い続けているのです。

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