菊地恭一

菊地 恭一（きくち きょういち）

1954年12月26日、茨城県稲敷郡江戸崎町（現在の稲敷市）に生まれた菊地恭一は、右投げ右打ちの外野手として日本のプロ野球界でプレーした元選手です。

アマチュア時代

東洋大学附属牛久高等学校では、1972年夏の甲子園茨城県予選を勝ち上がり、東関東大会の準決勝まで進出しました。この試合では先発投手としてもマウンドに上がり、銚子商業高校の根本隆投手と投げ合う熱戦を展開しましたが、惜しくも甲子園出場はなりませんでした。

高校卒業後は、社会人野球の名門である東芝に入社。社会人屈指の長距離打者としてその才能を開花させます。都市対抗野球には度々出場し、社会人ベストナインにも二度選出されるなど、中心選手として活躍しました。特に1978年の大会では、チームの優勝に貢献する3本塁打を放つ活躍を見せました。

この1978年のプロ野球ドラフト会議では、ロッテオリオンズから2位指名を受けましたが、これを固辞してチームに残留する道を選びました。当時のドラフトでは、3位で後に三冠王となる落合博満氏が指名されていますが、社会人野球（当時東芝府中）での評価においては、菊地の方が上回っていたとされています。その後も東芝でプレーを続け、1981年の都市対抗野球ではチームは準優勝に終わったものの、自身は2試合連続で本塁打を放つなど、その打棒は健在でした。

社会人野球の日本代表としても国際舞台で活躍し、アマチュア野球世界選手権には3回、インターコンチネンタルカップには2回出場しています。日本代表の4番打者を任されることもあり、その打撃力はアマチュア球界で高く評価されていました。当時、横浜大洋ホエールズの監督就任が噂されていた長嶋茂雄氏が菊地選手の打撃を高く評価しており、それが大洋による獲得に繋がったとも言われています。

プロ野球時代

1981年のプロ野球ドラフト会議で、横浜大洋ホエールズから2位指名を受けました。社会人での活躍に加え、この年パ・リーグの首位打者を獲得した落合博満氏の活躍を目の当たりにし、「落合さんがあれだけできるなら」とプロ入りの決意を固め、長年の社会人生活にピリオドを打ちプロの世界へ飛び込みました。

鳴り物入りで横浜大洋に入団した菊地選手は、社会人時代に培った長打力を期待され、1年目の1982年から一軍での出場を果たしました。しかし、プロで使用される木製バットへの対応や、多彩な変化球への適応に苦しみ、持ち前の打撃力を十分に発揮することができませんでした。また、守備面では肩の弱さも指摘され、これらの課題から一軍に定着することは難しく、期待されたほどの成績を残すことはできませんでした。

結局、プロの世界で活躍の糸口を掴めないまま、1987年限りで現役を引退しました。プロでの通算成績は目覚ましいものではありませんでしたが、社会人野球で残した功績は大きく、その名をアマチュア球界に刻みました。

記録

初出場・初安打: 1982年4月13日、対読売ジャイアンツ3回戦（後楽園球場）にて、8回表に代打として登場し、角三男投手から単打を記録しました。
初先発出場: 1982年7月11日、対阪神タイガース14回戦（横浜スタジアム）に、7番・左翼手として先発出場しました。

背番号

横浜大洋ホエールズ在籍期間（1982年 - 1987年）を通して、背番号23を着用しました。

• ---

もう一度検索