菊村徳用

菊村 徳用：元プロ野球選手の波乱の人生

菊村徳用（きくむら とくよ）は、1956年11月7日に兵庫県尼崎市で生まれた元プロ野球選手であり、韓国籍の投手として活躍した。本名は朴徳用（パク・ドクヨン）である彼は、中学校から高等学校、さらにはプロ野球と、多彩な経歴を持ちつつも、非常に厳しい試練を経験した選手であった。

経歴の始まり

実際、彼の野球キャリアは尼崎市立日新中学校の3年次に鮮烈な印象を残すところから始まる。1971年、兵庫県中学校大会の阪神大会で強豪・報徳中に対して、見事に20奪三振を達成した。この快挙により、彼は「日新中に菊村あり」と称賛され、多くの名門校からの誘いを受けることになった。日下隆監督の熱心な勧誘により、1972年に育英高校に進学することを決意。高校時代、彼は多くの期待を背負い、1年目からエースとして活躍した。

高校野球での試練

入学早々、彼は春季兵庫県大会でエースに抜擢されるも、初戦では打線の援護が無く敗退してしまった。とはいえ、彼の才能は早くも注目され、名門の一員として成長を遂げていく。しかし、1973年には野球部員の不祥事により1年間の対外試合禁止処分を受け、つらい時期を過ごすことに。冬休みには全員でアルバイトを行い、その収益を社会福祉に寄付する善行も行った。

3年次には、再び甲子園に出場できるチャンスを逃しつつも、その実力にはプロスカウトたちも注目していた。特に彼の瞬発力は驚異的で、「あのスピードは文句なしに一番だ」と評された。しかし、甲子園の舞台には立てず、1974年のドラフトでロッテオリオンズに1位指名で入団する。金田正一監督の熱意に応える形で、ロッテでの挑戦を決意した。

プロ入り後の苦悩

プロ入り後、彼は高い期待を背負っていたものの、体力的な問題が彼を苦しめることになった。1975年の春季キャンプでは体力の不足が明らかになり、先発登板したオープン戦では思うような結果が出せず、次第に二軍での生活が強いられることに。特に、彼は内臓が弱く、基礎体力をつけることが成功しないままだった。

その後も2年間、二軍で経験を積むも、登板チャンスは巡ってこなかった。1977年には、医師から厳しい診断を受け、健康を維持するためにハードな投手生活を辞めるよう告げられる。結果、1977年5月には任意引退を発表することになった。

引退後の人生

現役を退いた彼は、地元に帰り、兵庫県内の病院で治療を受けながら、自身の過去を振り返る日々を送った。1984年には本名の朴徳用としてKBOでプレーするが、音楽との密接な関係を持ちながら、最後は引退を決意し、帰国後には伊丹リトルシニアのコーチとして若者たちの指導にあたる。

結論

菊村徳用の人生は、多くの試練と成功で彩られたものであり、彼が野球界に残した足跡は今も多くの人々に影響を与えている。彼の努力と情熱は、後輩たちへ大きな励ましとなるだろう。

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