菊池浩

菊池 浩（きくち ひろし）

菊池浩氏は、1963年11月6日に茨城県に生まれた日本の検察官です。東京大学法学部で学び、1988年に同大学を卒業しました。法律の専門知識を深めた後、1990年に東京地方検察庁の検事として任官し、法曹としてのキャリアをスタートさせました。

検察官として事件捜査や公判活動に従事した後、菊池氏は多様なポストを経験することになります。2008年には法務省へと活躍の場を移し、刑事局参事官に就任しました。法務省刑事局は、国の刑事法制に関する企画や立案などを担う重要な部署であり、ここで法務行政の中枢に深く関与しました。参事官として約3年間勤務した後、2011年には東京高等検察庁の検事となり、再び現場に近い立場で職務にあたりました。

その後も、法務省と検察庁の間を行き来しながらキャリアを積み重ねます。2014年には再び法務省に戻り、入国管理局（現：出入国在留管理庁）の総務課長を務めました。ここでは、組織全体の運営や企画といった、行政組織の中枢を担う業務に携わりました。続く2015年には東京地方検察庁の交通部長に就任し、交通事犯に関する専門部署の責任者として指揮を執りました。

2016年からは法務省の大臣官房審議官（国際・人権担当）として、より広範な視点から法務行政に関わることとなります。国際的な法務協力や、国民の人権擁護に関わる重要な政策立案や調整に携わり、その知見を深めました。この審議官職を約2年務めた後、2018年には奈良地方検察庁の検事正に就任し、地方の検察組織のトップとしてその運営と指揮にあたりました。

2019年4月1日には、人権擁護局長という重要なポストに就きました。人権擁護局は、人権相談、人権侵害事件の調査救済、啓発活動などを通じて国民の人権を守る役割を担っており、その責任者として活動を統括しました。約2年間、人権擁護の最前線で指揮を執った後、2021年7月16日には最高検察庁の検事に任命されました。最高検察庁は日本の検察組織の最高機関であり、ここで検察の統一的な方針に関わる職務に従事しました。

さらに、2022年8月2日には、我が国の出入国管理および在留管理行政を司る出入国在留管理庁の長官に任命されました。長官として、増加する外国人に関する様々な課題に対応するため、政策の推進や組織運営の陣頭指揮にあたりました。この期間、出入国・在留管理制度の運用や改革において、その手腕を発揮しました。

そして2024年7月9日より、名古屋高等検察庁の検事長として、中部地域の検察組織を統括する任にあたっています。高等検察庁の検事長は、担当区域内の地方検察庁および区検察庁を指揮監督する重要な職務です。長年にわたり検察官、法務官僚として培ってきた豊富な経験と幅広い知見をもって、現在の職務に臨んでいます。

このように、菊池浩氏は検察官として任官以来、東京地検、東京高検、奈良地検といった現場に加え、法務省の刑事局、入国管理局、大臣官房、人権擁護局、さらには出入国在留管理庁といった多様な行政組織において要職を歴任してきました。そのキャリアパスは、法務・検察行政全般にわたる深い理解と経験に裏打ちされており、日本の司法および行政運営における重要な役割を担ってきた人物と言えます。

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