菊池誠一 (考古学者)

菊池誠一のプロフィール

菊池誠一（きくち せいいち）氏は、1954年12月16日に群馬県高崎市で生まれました。彼の学問的な専門は、主にベトナムにおける考古学です。学びの道を辿る中で、学習院大学の大学院人文科学研究科に進み、1983年に修士課程を修了しました。その後、群馬県内の高校教員としてのキャリアをスタートさせます。

1996年には昭和女子大学大学院研究所の国際文化研究所の所員に就任し、1999年には国際協力事業団（現在のJICA）に短期専門家として派遣され、ベトナムでの活動を開始しました。この貴重な経験を経て、2007年からは昭和女子大学人間文化学部の教授として教鞭を執り、2011年度からは国際文化研究所の副所長を務めました。

受賞歴と役職

引退を迎える2020年までのキャリアの中で菊池氏は、数多くの受賞歴と役職を歴任しています。2013年にはハノイ国家大学からの学術功労賞を受賞し、2023年8月には外務大臣表彰も受け取りました。また、2012年から2016年3月にかけて東南アジア考古学会の会長を務め、さらに日本遺跡学会副会長（2015～2018）、日本考古学協会の理事としても活動してきました。

家族と学問的背景

私生活では、妻は東京大学東洋文化研究所の助教である菊池百里子さんであり、実弟の菊池実氏も戦跡考古学において名の知れた学者です。兄弟揃って学問の道を歩む姿は、学界においても注目されています。

主な著書と研究成果

菊池氏は、多くの著作を通じて考古学の重要な知見を発信しています。主な著書には、2003年刊行の『ベトナム日本町の考古学』や、2020年の『ベトナム考古学を学んで－フィールド調査28年－』が含まれます。さらに、2021年には『ベトナム革命の隠れた英雄　チャン・ヴァン・ザウの生涯』を、2022年には『ヴォー・グエン・ザップ将軍とベトナム近現代史』を出版しました。彼の作品は、ベトナム文化や歴史の認識を深めるための貴重な資料とされています。

共著としても多くの作品があり、2002年の『近世日越交流史 日本町・陶磁器』や2014年の『朱印船貿易絵図の研究』、2015年の『アジアの戦争遺跡と活用』など、さまざまなテーマで共同研究を展開しています。また、1991年に翻訳した『ベトナムの考古文化』は、考古学の知識を日本国内に広める重要な役割を果たしました。

まとめ

菊池誠一氏の業績は、ベトナム考古学の発展に大きく寄与しており、彼の教育者としての影響力は計り知れません。引退後もその専門性と知識は、今後の考古学研究に引き継がれていくことでしょう。

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