菊田まりこ

日本の絵本作家、菊田まりこは、1970年4月19日に東京都で生まれました。

武蔵野美術大学短期大学部のデザイン科（グラフィックデザイン専攻）を卒業後、イラストレーターやグラフィックデザイナーとしてキャリアを積み、その後、活動の場を絵本、エッセイ、翻訳へと広げました。

絵本創作に携わるきっかけは、文房具のデザインなどを行っていた際、出版社から絵本執筆の提案を受けたことでした。この勧誘が、彼女の絵本作家としての第一歩となりました。

1998年12月、学習研究社（現・学研プラス）より、『いつでも会える』と『君のためにできるコト』の2冊が同時に刊行され、絵本作家としてデビューを果たしました。

特に代表作として知られる『いつでも会える』は、子どもとの別れという深くデリケートなテーマを描いた作品です。この絵本は国内外で高く評価され、1999年度のボローニャ国際児童図書展ではボローニャ児童賞・特別賞を受賞しました。審査委員会からは、「子どもに死という非常にデリケートな問題を教えるためにもこの本は秀逸である」との賛辞が寄せられました。

『いつでも会える』は、100万部を超える記録的なベストセラーとなり、多くの読者に愛され続けています。また、その普遍的なテーマゆえに世界数カ国語に翻訳され、広く読まれています。日本国内でも、第9回けんぶち絵本の里大賞を受賞するなど、その文学性や教育的価値が高く評価されています。

菊田まりこ氏の作品は、『いつでも会える』の他にも多数あります。主な作品には以下のようなものがあります。

『いつでも会える』(学研プラス)
『君のためにできるコト』（学研プラス）
『あの空を 』(学研プラス）
『僕のとなりには』(学研プラス）
『君はわらうかな』(学研プラス）
『いつでも会える 大型版』(学研プラス）
『だっこして おんぶして』(青春出版社）
『だっこして おんぶして ポストカード集』(青春出版社）
『ハッピーリレー』(河出書房新社）
『ゆきの日 —on Christmas day—』(白泉社）
『だっこして おんぶして（文庫本）』(角川文庫）
『君へのてがみ（文庫本）』(角川文庫）
『ありがとう が しりたくて』(光文社）
『ひとつぼし』(学研プラス）
『月のしずく』（WAVE出版）

また、他の作家との共著も手がけています。

『ハピハピバースデー』(岡本真夜・菊田まりこ 共著、学研プラス）
* 『ぼくたちの場所』（たまねぎ 写真、菊田まりこ 絵・文 共著、ワニブックス）

翻訳絵本も手がけており、リサ・パップ作の『わたしのそばで きいていて』、『いまの わたしに できること』、『わたしは あなたを しんじてる』、キャリー・ガラッシュ文、サラ・アクトン絵の『おばあちゃんのおくりもの』（いずれもWAVE出版）などを日本に紹介しています。『わたしのそばで きいていて』は全国学校図書館協議会選定図書にも選ばれています。

さらに、絵本以外の活動として、LINEクリエイターズスタンプ『ヒヨスケ１』『ヒヨスケ２』を制作しています。

自身の幼少期における絵本体験として、ラッセル・ホーバン作の『おやすみなさいフランシス』に深い思い入れがあることを語っています。あなぐまの女の子フランシスの考え方が自身とよく似ていると感じ、通っていた幼稚園で毎日借りて読んでいたこの絵本は、母親が買ってくれたものを今も大切にしているとのことです。このエピソードは、彼女が絵本というメディアに抱く特別な感情や、作品づくりへの姿勢にも影響を与えているのかもしれません。

菊田まりこ氏の絵本は、子どもたちの心に寄り添い、デリケートなテーマをも優しく語りかける力を持っています。国内外で高く評価され、世代を超えて読み継がれる彼女の作品は、これからも多くの人々に感動を与え続けるでしょう。

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