萌え擬人化

萌え擬人化とは

萌え擬人化（もえぎじんか）は、日本の漫画やアニメ、ゲームにおいて、人間以外の存在を魅力的な人間キャラクターとして描き出すスタイルです。このジャンルでは、特に美少女やイケメンが多く登場し、見る人に「萌え」を感じさせることが目的とされています。

概要

このクリエイティブな手法は、なんらかの生物や無生物に人間の特性を付与するもので、一般的には外観が美化されたキャラクターが描かれることが多いです。例えば、動物や物体を美少女やイケメンキャラに変換し、その魅力を引き出す表現が行われます。漫画『Axis powers ヘタリア』のように、男性キャラに特化した作品も見られます。

本来の擬人化は元の存在に人間の機能を加えることを意味していますが、日本の擬人化文化では、キャラクターがその事物のイメージを強く反映して描かれることが一般的です。例えば、バニーガールや人魚としてのイメージを持ったキャラクターはその特徴を誇張して表現されることが多いです。逆に、元の事物の特徴がほとんど反映されていないキャラクターも存在し、その場合はキャラクターの性格や人間関係に元の特徴が反映されることがあります。

歴史

萌え擬人化は1980年代頃から同人や二次創作の中で発展し始めました。当初の題材は主にアニメや漫画の動物キャラクターや無生物が中心で、これらの擬人化は比較的マイナーなものでした。しかし、2001年にインターネット上で「しいたけちゃん」が登場し、その個性豊かなデザインが話題を呼び、萌え擬人化の概念が広まりました。

以降、2003年に発売された漫画『びんちょうタン』が大ヒットを記録し、その流れを受けて日本オタク大賞を受賞しました。この成功は、萌え擬人化ブームの始まりとされています。さらに、2007年には兵器を擬人化したゲーム『萌え萌え2次大戦（略）』が登場し、その後も様々な作品が次々と誕生しました。

2013年には軍艦を萌え擬人化したブラウザゲーム『艦隊これくしょん -艦これ-』が運営を開始し、世間に大きな反響を呼びました。多くの萌え擬人化作品が登場する中でも、特に人気を博したのが2015年の『刀剣乱舞-ONLINE-』で、日本の名刀に擬人化を施したことで、このスタイルが更に広がりました。

さらに、2017年には『けものフレンズ』が放送され、動物が擬人化されたキャラクターたちが一大社会現象となりました。2021年には競走馬を萌え擬人化したスマートフォンゲーム『ウマ娘 プリティーダービー』が登場し、再びヒットを記録しました。これにより、萌え擬人化は日本のサブカルチャーにおいて欠かせない重要なジャンルとして確立されています。

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