著作権法 (ルーマニア)

ルーマニアの著作権法

ルーマニアの著作権法は、著作者の権利と著作隣接権を保護する法律です。1996年の法律第8号として制定され、2018年に改正されました。この法律は、欧州連合の著作権指令に基づいており、EUの法体系と整合性を持っています。

著作者の権利

ルーマニアの著作権法では、著作者の権利を大きく分けて2種類に分類しています。

著作者人格権

著作者人格権は、著作者の個性と作品への結びつきを保護する権利です。譲渡や放棄ができない、著作者の尊厳に関わる重要な権利です。主な権利は以下の通りです。

作品を公表するか否か、どのように公表するかを決定する権利
作者であることを主張する権利
作品の名称を決定する権利
作品の完全性を守り、改変や名誉を毀損する行為を拒否する権利
作品を撤回する権利

著作者の死後も、作品を公表するか否か、作者であることを主張する権利、作品への改変を拒否する権利は、相続人が無期限に保持します。

著作財産権

著作財産権は、作品を経済的に利用する権利です。著作者は、自分の作品から経済的利益を得るため、これらの権利を行使することができます。主な権利は以下の通りです。

作品を複製、頒布する権利
輸入する権利（作者の許可を得て制作された複製品を国内市場で販売するため）
作品を賃貸、貸与する権利
公衆に作品を伝達する権利（オンライン配信なども含まれる）
作品を放送、有線送信する権利
派生作品を創作する権利
再販売権（絵画、彫刻などの美術作品の場合）

著作者

著作権法では、著作者を作品を創作した自然人（一人または複数）と定義しています。作品が最初に公表された際に作者として名前が挙げられていた場合は、その人物が作者と推定されます。匿名やペンネームで公表された作品の場合は、作者が名乗り出るまで、作品を公表した者（自然人または法人）が著作権を行使します。共同制作の場合は、共同著作者全員に著作権が帰属します。

著作権で保護される作品

文学、芸術、科学の分野における、人間の精神の産物であるすべてのオリジナル作品が保護されます。表現形式や価値、目的とは無関係に保護の対象となります。具体的には、以下の作品などが挙げられます。

文学作品、演劇、音楽、映画、写真
絵画、彫刻などの造形美術作品
建築作品
コンピュータプログラム
地図

著作権の保護形式と期間

ルーマニアでは、著作権の保護を受けるために特別な手続きは必要ありません。作品が創作された時点で自動的に保護されます。著作権表示（©マーク）をすることで、著作権の主張を明確にできます。

著作権の保護期間は、著作者の死後70年間です。著作者に相続人がいない場合は、著作権管理団体が権利を行使します。

著作権の侵害

著作権または著作隣接権の保有者は、以下の場合に権利侵害を主張できます。

作品の無断利用（複製、頒布、貸与、賃貸、公衆への伝達、輸入、放送など）
著作者人格権の侵害
再販売権（追及権）の侵害

まとめ

ルーマニアの著作権法は、著作者の権利を幅広く保護する法律です。EUの著作権指令を基に制定されており、現代的な著作権保護の枠組みを備えています。著作権に関するトラブルを避けるため、著作権法の理解と遵守が重要です。

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