葛西萬司

葛西萬司（かさい まんじ）

葛西萬司は明治から昭和初期にかけて日本の建築界で著名な存在であり、盛岡市の出身です。彼は1863年に生まれ南部藩の家老である鴨澤舍の次男として生を受けました。その後、南部藩士の葛西重雄の養子となり、建築家としての道を歩むこととなります。

学歴と職業人生

1890年、葛西は帝国大学工科大学造家学科を卒業し、その際には後の著名な建築家たち、横河民輔や宗兵蔵と同じ学年でした。卒業後、彼は日本銀行で技師として働き、その後の1913年には辰野金吾とともに東京で辰野葛西設計事務所を開設しました。この設計事務所は、昭和初期の日本建築に多大な影響を与えました。

1915年には工学博士の称号を取得し、その後も建築業界で着実に成果を上げていきます。1919年には辰野金吾が亡くなった後、葛西は独自に葛西設計事務所を設立し、建築設計の道をさらに広げていきます。生涯にわたる建築家としてのキャリアの中で、彼は多くの重要なプロジェクトに関与し、業界の発展に寄与しました。

1927年には田中實と共同で葛西田中建築事務所を改称し、再び単独経営に戻った1937年には葛西建築事務所という名称に改めました。

著名な作品

葛西萬司の設計による作品は、さまざまな建築様式を取り入れ、特に近代建築の分野で高く評価されています。彼の設計した建物は、実用性と美しさを兼ね備えたものであり、当時の技術や材料を駆使しています。彼の影響は建築界にとどまらず、多くの若手建築家に刺激を与え、後世にまでその名を残しています。

最晩年と逝去

彼は1942年に、78歳でこの世を去りました。葛西の活動や作品は、彼が活動をしていた時代の日本における建築の発展を象徴しています。没後も彼の名は残り、特に近代建築に興味を持つ人々にとって重要な存在であり続けています。彼の建築に対する情熱や探求心は、多くの建築家たちに影響を与えました。

関連資料

彼に関する資料として、建築雑誌第56輯第691号（1942年）や新版日本近代建築総覧（1994年）が存在しています。また、盛岡市の公式ホームページには彼に関する情報が掲載されており、さらなる理解を深めるための参考になります。日本の建築家一覧にも彼は名を連ねており、彼の影響力は今も色あせることはありません。

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