蒲生羅漢

蒲生 羅漢について

蒲生羅漢（がもう らかん）は、江戸時代後期に活躍した南画の画家で、特に白河藩に仕官していたことで知られています。天明4年（1784年）に生まれ、慶応2年（1866年）に亡くなるまで、多くの作品を残しました。彼の本姓は藤田であり、その後蒲生に改姓。幼名を豹とし、号は羅漢山人や在家菩薩と称しました。出身地は陸奥の白河で、当地に深い縁があります。

略歴と師事

羅漢の若き日々の情報はあまり多くありませんが、白河藩主の松平定信に見出され、彼から幅広い支援を受けました。そして、著名な南画家である谷文晁の下で絵画技術を学び、絵の腕を磨いたのです。享和3年（1803年）には、定信の命により、谷文晁や岡本茲奘、星野文良、谷文一らと共に「石山寺縁起絵巻」の模本製作に取り組み、欠落した部分の補作も行いました。

彼の作品には、道釈人物図や墨梅図といった作品が多く見られ、真景図や山水図も含まれています。その筆致は豪放磊落であり、彼の性格が色濃く反映されています。白河藩が桑名に移封された際にも、彼は白河に残り、絵を描くことを続けました。弟子には佐竹永邨がいます。

酒好きな性格

羅漢は酒を好み、会津の塗師である久五郎とは非常に親しい友人関係にありました。しばしば共に酒を酌み交わし、連日のように飲み明かしていました。その関係性は深く、久五郎が羅漢の家で亡くなった後、彼は皇徳寺に埋葬されました。そして、3年後には羅漢自身も没し、久五郎の墓の隣に埋葬されたことから、彼の生涯における友情の深さが伺えます。

作品一覧

羅漢が残した作品の中には、次のようなものがあります。

• - 「鉄拐仙人図」
• - 「芦葉達磨図」: 個人蔵であり、白河市歴史民俗資料館に寄託されています。
• - 「墨梅図」
• - 「富士越龍図」
• - 「不動明王図」
• - 「釈迦十六善神図」
• - 「鹿島宮真景図」
• - 「異国船図」: 文政7年に制作された作品です。

参考文献

彼の生涯や作品について詳しく知るためには、川延安直の「定信と文晁　松平定信と周辺の画人たち」が参考になります。この資料は福島県立博物館から刊行されており、松平定信と彼を取り巻く南画家たちの関係性を探る手がかりとなるでしょう。

蒲生羅漢の作品は、現在でも多くの人々に親しまれ、彼の画風や生き様を伝え続けています。

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