蒼い鳥 (フジファブリックの曲)

フジファブリックの7枚目のシングル「蒼い鳥」は、バンドにとって重要なターニングポイントとなった作品です。ドラマーの足立房文脱退後、城戸紘志をサポートドラマーに迎えて制作されました。

このシングルは、松田龍平とhitomiが主演し、塚本晋也が監督を務めた映画『悪夢探偵』のエンディングテーマとして書き下ろされました。映画公開を記念した限定シングルとしてリリースされ、オリコンチャートで初登場9位を獲得。フジファブリックにとって初のTOP10入りという快挙を達成しました。しかし、「蒼い鳥」のPVは制作されていません。

10,000枚の完全限定生産だったため、現在は廃盤となっており、ネットオークションなどでは高額で取引されています。映画の主題歌でありながら、オリジナルアルバムには収録されず、シングル自体も廃盤という状況が続いたため、メディアでの露出は非常に限られていました。しかし、2010年に発売されたベストアルバム『SINGLES 2004-2009』に初めて収録され、比較的手軽に音源を入手できるようになりました。

「蒼い鳥」は、志村正彦の独特な世界観が色濃く反映された楽曲です。歌詞は映画の内容とも共鳴し、夢と現実、希望と絶望が入り混じったような、切なくも美しい情景を描いています。6分を超える大作であり、繊細なメロディとドラマチックな展開が聴きどころです。

カップリング曲として収録されている「東京炎上」も、ファンからの人気が高い楽曲です。3rdアルバム『TEENAGER』にはアルバムバージョンが収録されており、『FAB BOX』の「シングルB面集 2004-2009」にも収録されています。疾走感あふれるサウンドと、都会の喧騒と孤独を描いた歌詞が印象的です。

「蒼い鳥」は、フジファブリックの音楽性を深く理解する上で欠かせない作品です。入手困難な状況が続いていましたが、ベストアルバムへの収録によって、より多くの人がその魅力に触れることができるようになりました。映画『悪夢探偵』の世界観とともに、ぜひ堪能してみてください。

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