蒼きウル

映画『蒼きウル』の概要

『蒼きウル』は、アニメ制作会社ガイナックスが手掛ける予定だった日本のアニメ映画です。本作は1987年に公開された『王立宇宙軍 オネアミスの翼』の続編として企画されました。1990年代にその構想が持ち上がったものの、様々な理由から制作は未完に終わることとなります。

経緯

1990年代

ガイナックスは1984年に設立され、当初から『王立宇宙軍』の制作を目指し活動してきました。1990年に『ふしぎの海のナディア』のテレビシリーズが成功した際には、その劇場版も制作されましたが、興行成績は振るわず、資金回収が急務となりました。この状況を受け、ガイナックスは1992年に新しいアニメの企画を検討しますが、設立当初の代表が退社したことも影響し、制作資金の見通しが立たず、企画は存続の危機に陥りました。

『蒼きウル』の舞台設定は『王立宇宙軍』から50年後ですが、ストーリーの繋がりやキャラクターには関係がありません。山賀博之が原作・脚本を手掛ける予定でしたが、資金不足で作業は中断となり、庵野秀明が予定していたテレビシリーズ『新世紀エヴァンゲリオン』が優先され、多くのスタッフがその制作に移行しました。

2010年代

その後、1997年に企画が再開されますが、庵野が監督を辞退したため、山賀がその役割を引き受けることに。1998年には資料集やPCゲームがいくつかリリースされるも、正規の映画制作には至りませんでした。

2013年にガイナックスが突如制作再開を発表し、以降の取り組みとして公式Facebookとパイロットフィルムの制作を告知します。しかし、進捗は乏しく、同社の経営が厳しくなっていく中で、告知された製作計画は実行に移されませんでした。

制作主体の交代

2018年9月、ガイナックスの元子会社である株式会社ガイナが本作の制作を引き継ぐことが発表され、山賀博之が監督を、貞本義行がキャラクターデザインを担当することになります。2022年までの全世界公開を目指していましたが、依然として具体的な制作の動きは見られず、制作期日は延長され、再び不透明な状況に陥っています。2023年現在も、製作の目途は立っていない状態です。

スタッフ情報

『蒼きウル』は、監督・脚本に山賀博之、キャラクターデザインには貞本義行が参加しています。過去に企画されていたスタッフとしては、庵野秀明が監督を予定されていた時期もありましたが、様々な事情で計画が頓挫しています。

結論

『蒼きウル』は、時代を超えた野心的なプロジェクトとして位置づけられる一方で、その実現には依然として多くの課題が残っています。アニメ制作業界において、こうした未完のプロジェクトは少なくありませんが、本作がいつか形になることを期待するファンも多いことでしょう。

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