蒼のマハラジャ

蒼のマハラジャ

『蒼のマハラジャ』は、神坂智子が描く日本の漫画作品。角川書店の『月刊Asuka』にて1990年3月号から1993年6月号にかけて連載された。

概要

物語の舞台はイギリス植民地時代のインド、ラジャスターン地方に位置するジョドプール藩王国。ジョドプールの若きマハラジャ、シルバ・アジット・シンと、イギリス人である少女モイラ・バーンズの二人が織りなす愛と運命を描いている。

物語は第二次世界大戦前から戦後のインドを背景として展開され、登場人物は架空の存在ではあるものの、地名や歴史的な事件は史実に基づいている点が特徴である。これにより、作品は単なる恋愛物語に留まらず、歴史的な背景と文化的な要素が色濃く反映された、重厚なドラマとして展開されている。

登場人物

本作に登場するキャラクターは架空の人物だが、中には実在の人物をモデルにしたと思われる描写もみられる。

シルバ・アジット・シン

本作の主人公。「蒼のマハラジャ」と呼ばれ、ジョドプールのマハラジャを務める。聡明で勇敢な彼は、国の未来を担う存在として、またモイラを深く愛する男性として描かれる。
モイラ・バーンズ

もう一人の主人公。イギリス人の少女で、父親の仕事の関係でインドにやってくる。異文化の中で戸惑いながらも、シルバとの出会いを通して成長していく。後にシルバと結婚し、マハラーニ（王妃）となる。物語は主に彼女の視点から語られる。
マーサ・バーンズ

モイラの祖母。インドでの生活を支え、モイラに様々な助言を与える。
サヴァイ・マーン・シング・バハドゥール

ジャイプールのマハラジャ。作中では「ジャイ」という愛称で呼ばれている。シルバとは親交が深く、物語の重要な局面で登場する。
ラージャ・エル・フィール・マフマド・イブン・サウド

サウジアラビアの王子。

書誌情報

角川書店 あすかコミックス 全10巻 (1990年～1993年)
ホーム社より復刊 文庫版 全5巻 (2007年)

イメージアルバム

作品の世界観を表現したイメージアルバムも発売されている。ドラマとイメージ曲が収録。

『蒼のマハラジャ』（1991年6月21日、トライエム）

キャスト

モイラ - こおろぎさとみ
シルバ - 山口勝平
エヴリン（モイラの母） - 滝沢久美子
リチャード（モイラの父） - 田中秀幸
父王（シルバの父） - 松岡文雄
サヒバ - 沢木郁也
小間使いA - 森川智之
小間使いB - 小林通孝
ナレーション - 池水通洋

関連事項

「インド王宮の日々-マハーラーニの回想」 - ジャイプール藩王国の最後のマハラーニ、ガーヤトリー・デヴィーの回想記。彼女は当時「インドで一番美しい女性」と称された。

もう一度検索