蔚山地方警察庁

蔚山広域市警察庁

概要

蔚山広域市警察庁（ウルサンこういきしけいさつちょう、朝: 울산광역시경찰청）は、大韓民国の蔚山広域市を管轄とする地方警察機関です。かつては蔚山地方警察庁という名称でした。この機関は、蔚山広域市内に設置されている四つの地域警察署を総括的に監督し、市域の治安維持や犯罪捜査といった広範な警察活動を指揮・調整する役割を担っています。蔚山広域市の安全と秩序を守るための中心的な組織と言えます。

歴史

蔚山広域市における現在の警察体制に至るまでには、いくつかの重要な変遷がありました。本機関が正式に設置される以前の歴史的な経緯については、慶南地方警察庁に関する項目を参照する必要があります。

蔚山地方警察庁として機関が設置されたのは、1999年7月2日のことです。この設置に伴い、それまで慶南地方警察庁の管轄下にあった蔚山広域市内の三つの警察署が、新たな蔚山地方警察庁へと移管されました。

その後も組織の再編や拡充は進められました。2001年12月27日には、市域内の治安需要に対応するため、新たに蔚山西部警察署が設けられました。さらに2006年3月1日には、組織名称の変更が行われ、蔚山西部警察署は蔚山蔚州警察署へと改称されました。この改称と同時に、管轄区域の見直しも実施され、蔚山蔚州警察署と蔚山南部警察署の間で管轄区域の調整が行われました。

近年の大きな変革としては、大韓民国における自治警察制の導入が挙げられます。これに伴い、2021年1月4日付で、蔚山地方警察庁は名称を現在の蔚山広域市警察庁へと変更しました。この名称変更は、地方自治体との連携を強化し、より地域に密着した警察活動を推進するための体制変化を反映しています。

組織

蔚山広域市警察庁の内部組織は、警察庁長を最高責任者とし、その指揮のもとに様々な部署が設置されています。組織運営や対外的な広報活動を担当する広報担当官や、内部の不正行為の監査や市民からの苦情処理などを担う聴聞監査担当官といった独立した担当官が置かれています。

実務を遂行する部署としては、組織の総務・人事などを担当する警務課をはじめ、市民の生活安全に関わる業務を扱う生活安全課、各種犯罪の捜査を行う捜査課、交通安全や警備を担当する警備交通課、情報収集・分析を行う情報課、そして国の安全保障に関わる保安課など、多岐にわたる専門部署が機能しています。これらの部署が連携し、蔚山広域市全域の治安維持活動を支えています。

管轄警察署

蔚山広域市警察庁の指揮・監督下には、現在、蔚山広域市内の各地域を実際に担当する四つの地域警察署が配置されています。これらの警察署が、市民生活に最も近い場所で警察活動を展開しています。各警察署の名称と、その主な管轄区域は以下の通りです。

蔚山中部警察署: 主に中区全域と、北区の一部地域（具体的には楊亭洞、塩浦洞、江東洞を除く区域）を管轄しています。
蔚山東部警察署: 東区全域を担当するとともに、北区のうち楊亭洞、塩浦洞、江東洞を管轄区域としています。
蔚山南部警察署: 蔚山広域市の南部地域一帯を広く管轄しています。
蔚山蔚州警察署: 蔚山西部警察署からの改称を経て、現在の管轄区域を担当しています。この警察署と蔚山南部警察署の間では、過去に管轄区域の調整が行われました。

これらの警察署は、それぞれの管轄区域におけるパトロール、事件・事故対応、住民からの相談受付など、地域住民の安全と安心を直接的に守るための活動を行っています。

関連項目・外部リンク

韓国の警察
公式サイト（朝鮮語）

関連情報については、「韓国の警察」項目を参照してください。また、蔚山広域市警察庁の公式サイト（朝鮮語）でも最新の情報や活動内容を確認することができます。

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