薩摩半島西方沖地震

薩摩半島西方沖地震の概要

薩摩半島西方沖地震は、2015年11月14日の早朝に発生した大地震で、震源地は薩摩半島の西方沖、深さは17kmに及びました。地震のマグニチュードは7.1、モーメントマグニチュードは6.7とされ、横ずれ断層型の揺れを引き起こしました。この大地震により、気象庁は鹿児島県沿岸に対し津波注意報を発令しました。

緊急地震速報の発表

この地震が発生してから、わずか54.6秒後の05時52分51.8秒に緊急地震速報が各地に配信されました。対象となったのは、鹿児島県の薩摩地域や甑島、大隅地方、さらには屋久島、種子島、十島村、奄美群部など広範囲にわたりました。また、宮崎県南部、佐賀県全域、熊本県の各地や福岡県、長崎県の北部と南西部にも速報が発令され、地域住民に警戒を促しました。

地震による揺れの影響

この地震では、佐賀県と鹿児島県で震度4が観測され、近畿地方から九州地方にかけても震度3から1までの揺れが確認されました。このように、広域に影響を及ぼす揺れが発生したことから、周辺地域においても警戒が強まる切っ掛けとなりました。

長周期地震動の観測

さらに、地震後には長周期地震動の観測も行われました。鹿児島県の薩摩地区では階級2の長周期地震動が観測され、隣接する佐賀県南部や熊本県球磨地区では階級1が確認されました。長周期地震動とは、特定の建物や構造物に影響を及ぼす長い波長の地震波であり、これも耐震設計において重要な指標です。

津波の発生と警報の解除

地震後、気象庁は種子島や屋久島地方、奄美群島、トカラ列島、鹿児島県の西部に津波注意報を発令しましたが、7時20分にこの警報は解除されました。トカラ列島の中之島では、予想外に高い30cmの津波が観測されました。これは波の周期と湾の固有周期が一致したことで副振動が発生したためで、通常時の潮位変動がこの現象に寄与したと考えられています。

まとめ

薩摩半島西方沖地震は、その震源の位置や津波の影響、また長周期地震動の観測などの点からも、非常に注目された自然現象でした。特に、迅速な緊急地震速報の発表や津波注意報の発令は地域住民の安全確保に寄与する重要な取り組みであり、その後の防災対策にも生かされたことでしょう。このような地震に対する理解と備えは、今後の防災活動においても不可欠です。

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