薬師寺泰蔵

薬師寺 泰蔵の経歴と業績

薬師寺 泰蔵（やくしじ たいぞう）は1944年8月5日に奈良県に生まれた日本の政治学者です。政治学及び国際政治理論の専門家として、特に科学技術と国際政治の相互関係についての研究が注目されています。彼は慶應義塾大学の名誉教授であり、幅広い学問的貢献をしています。

学問の道のり

薬師寺の学問の道は、奈良県での幼少期から始まりました。父の転勤により福岡県戸畑市や東京都大田区で過ごし、教育を受けました。東京都立雪谷高等学校を卒業した後、1968年に慶應義塾大学工学部電気工学科を卒業し、さらに1970年には東京大学教養学部を卒業します。

その後、彼はフルブライト奨学生としてアメリカのミネソタ大学大学院に留学し（1970年〜1972年）、その後マサチューセッツ工科大学政治学科博士課程を経て、1977年に政治学博士号を取得します。この間、彼は埼玉大学や慶應義塾大学で要職を歴任し、特に埼玉大学では1987年より教授として、多くの学生に指導を行いました。

研究と著書

薬師寺は、科学技術が国際政治に与える影響について深い洞察を持っており、数々の著書を執筆しています。彼の代表的な著書には『政治家vs官僚――サプライサイド政治学の提唱』や『テクノヘゲモニー――国は技術で興り、滅びる』、『公共政策』などがあります。これらの作品では、政治と技術の関連性を考察し、現代社会における政策形成についての視点を提供しています。

また、英語での共著や編著も多く、国際的な視野からの研究も活発です。特に『持続可能な成長の政治経済学――エコノミーとエコロジーの統合』では、経済と環境の調和についての重要性を説いています。

社会的な関与

薬師寺は学界だけでなく、政府や国際機関においても重要な役割を果たしてきました。内閣府の総合科学技術会議の議員として、科学技術政策の形成に寄与し、また、世界平和研究所の研究主幹を務めるなど、国際的な問題に対する姿勢も鮮明です。実務経験も豊富で、経済企画庁や国際大学グローバルコミュニケーション・センターなどで客員研究員としての活動も行っています。

まとめ

薬師寺 泰蔵は、政治学と国際関係の研究を通じて、科学技術が国際社会に及ぼす影響を多角的に探ることで、政策形成に貢献してきた学者です。彼の研究は、政治と技術、環境問題の交差点における重要な問題を考える上で欠かせないものとなっています。

もう一度検索