藤井美登利

藤井 美登利（ふじい みどり）について

藤井美登利は、埼玉県川越市に拠点を置く絹文化研究家であり、地域の文化や歴史を保存・発信する取り組みに尽力しています。彼女はNPO法人川越きもの散歩の代表を務めるほか、自ら設立した「川越むかし工房」の主宰としても活躍しています。また、町の情報を発信する雑誌『小江戸ものがたり』の編集長も務めており、地域づくりに貢献しています。

藤井は東京国際大学で「観光ガイド実習」を担当する非常勤講師でもあり、市民活動のコーディネーターとして埼玉県共助仕掛人の役割を担っています。さらに、さいたま絹文化研究会の会報担当としても地域の絹文化の推進に寄与しています。

経歴と背景

彼女は東京に生まれ、10年間にわたって欧州の航空会社で勤務し、東京とロンドンを行き来するライフスタイルを送っていました。この時期、伝統的な街並みが残るイギリスに感銘を受ける一方で、バブル期の日本の急激な変貌に疑問を抱くようになります。その後、観光で訪れた川越の蔵造りの町並みに魅了され、東京から川越に転居する決意をします。

2001年には、町雑誌『小江戸ものがたり』を創刊し、地域の文化や歴史を大切にする「川越むかし工房」を設立。彼女の活動により、川越のまちづくり運動や伝統文化保存が広がりました。

NPO法人設立と文化保存活動

2009年にはNPO法人川越きもの散歩を設立し、着物を着て川越を散策する活動を通じて、地域の伝統文化の保存を提唱しました。この活動の成果は、2016年に『埼玉きもの散歩』（さきたま出版会）としてまとめられました。なお、藤井の影響があり、2017年にさいたま市に設立されたNPO法人さいたま着物さんぽとの直接的な関係はないものの、彼女の活動から派生したと言えます。

他にも、川越織物市場の保存運動や、川越きものの日実行委員会、埼玉のブランド繭を用いた着物作りの勉強会など、川越地域の文化を守るための様々な活動に関与しています。また、2017年には、NHKのラジオ番組「ラジオ深夜便」にも出演し、彼女の活動を広くアピールしました。

委員会活動と受賞歴

藤井は川越市広報委員会の委員を務めるほか、国土交通省のシンポジウムや江戸東京フォーラムでパネリストとしての役割も果たしています。また、埼玉県内の文化やコミュニティに関連する複数の委員会に参加し、地域発展に寄与しています。2014年には、埼玉県人会善行賞と筑波大学茗渓会茗渓賞を受賞するなど、彼女の活動は広く評価されています。

著書と今後の展望

藤井は著書として『埼玉きもの散歩 絹の記憶と手仕事を訪ねて』（さきたま出版会、2016年）を持ち、地域の絹文化や職人の技を紹介しています。今後も地域の文化を守るために、様々な活動を推進していくことでしょう。藤井美登利の取り組みは、地元川越の文化を未来へ繋ぐ重要な役割を果たしています。

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