藤堂高雅

藤堂高雅: 江戸時代中期の伊勢久居藩主

藤堂高雅（とうどう たかまさ）は、江戸時代中期に活躍した日本の大名であり、伊勢久居藩の第6代藩主です。彼は久居藩藤堂家の6代目であり、この地で藩主として重責を担いました。

生い立ち

高雅は公的な記録によると、享保6年（1722年）12月28日、藤堂家一門にあたる藤堂出雲家の4代目である藤堂高武の四男として津で誕生したと言われていますが、実のところ彼の誕生日は享保12年（1728年）12月28日で、その生地は久居藩の藩主・藤堂高治の長男としてでした。高雅は若くして藩主の地位に就くため、幕府に送られた届け出では生年を詐称しなければならなかったことが、後の記録から推測されています。幕府が編纂した『寛政重修諸家譜』では享保6年生まれとされていますが、藤堂家の正式な系譜や『公室年譜略』などでは享保12年生まれの記述が正しいとされています。

藩主としての始まり

享保20年（1735年）、高雅は9歳の若さで父の高治を失い、藩主の座を引き継ぐこととなります。しかし、まだ幼いため、久居藩主である高豊が本家の津藩主に転任された後、彼に代わって藩主としての役割を果たすことになりました。元文3年（1738年）には、桜田防火使に任命され、その後も神田橋門監衛や大手防火使として重要な職務にあたりました。

藩政の取り組み

高雅は藩政においてさまざまな施策に取り組みました。特に、雲出川の洪水によって被害を受けた領民に対しては救済努力を行い、また財政難が深刻な状況にあったため、倹約を促し家臣や民の生活を守ることに尽力しました。彼の藩政は、ある意味で地域住民の生活を支えるために奮闘した時代のものであり、恩恵を受けた人々からの感謝の念が強く残ったことでしょう。

最期とその後

高雅は宝暦12年（1762年）9月20日に久居にて逝去しました。享年は36歳という若さでした。その後彼の跡を、養子の藤堂高敦が継ぐことになります。高敦はその後、津藩主をも引き継ぎ、名前を高嶷と改めました。

家族

高雅の父は藤堂高治で、母は側室の中村氏でした。正室は前田利隆の娘である幸（妙仙院）、そして継室には柳沢信鴻の養女、柳沢信睦の娘である千賀がいました。彼の家族関係は、江戸時代の大名家の複雑な繋がりを示しています。

まとめ

藤堂高雅は短い生涯を通じて、多くの業績を残しました。彼の藩政に対する取り組みや、家族の絆はその名残として語り継がれています。彼の存在は、江戸時代の大名の役割や地域社会への貢献を考える上で重要な要素となっています。彼の業績は時代を超えて多くの人々に影響を与え、記憶され続けることでしょう。

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